ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。インスタグラムも始めてみました。https://www.instagram.com/goma.ushi/

精神科診療

本来の精神科診療

ごまウシは、認知症の診療を行っているとは言え、精神科の診療を行っていることには変わりありません。そのような中で、日頃気になることとしては、診察時間です。 診察時間の講釈は、必ずしも、診療の質を反映しているわけではないのは確かですが、質の担保…

幻聴について

昨日は、あるはずのないものが見えると言う幻視についてのお話しをさせて頂きました。幻視については、いわゆる心霊現象と区別するのは極めて難しいところではありますが、その点は置いておいて、見えたという感覚自体は紛れもない事実であるという事は確か…

高山出張④

昨日までの記事で、講演会場である高山市文化会館に到着していました。と言うことでこの記事は講演のお話と言うことになります。 今回の講演会は、主催は、岐阜県保険医協会およびMSDと言う形で、不眠と不安に関する講演を依頼されてお受けさせていただいた…

不眠について考える

不眠という言葉は、日常的に誰かしらから聞いたことがあるでしょう。不眠と言うより、眠れないという言葉の方が良いかもしれません。 ごまウシの診療の中では不眠という症状に向き合うことは、日常的と言えるくらい、当たり前の症状ではあります。 ただ、不…

心身相関

ごまウシの普段の仕事では、日頃の外務にあるような認知症関連のことだけでなく、身体症状とメンタルとの間のような診療を行ったりします。そういう方の多くが、色々な病院やクリニックを巡り、その体調不良について調べてもらっても、何も問題がないと言わ…

睡眠の講演会

昨日まで目的が曖昧なまま東京でのお宅巡りのお話しが続いておりましたが、本来の目的は、本日の記事にあります、講演会に参加することが主となります。 コロナ渦においては、とにかくWeb講演ばかりでなかなか実感を持って参加した感覚もなく、Webの参加の場…

これからの認知症診断

ごまウシが先日参加をした、アルツハイマー研究会もそうですが、認知症学会の学会誌でも、取り上げられているところの話題の中で、これからの認知症診療についてのお話が増えてきております。 新しい診断技術が増えるだけでは、医療水準は必ずしも前に進むわ…

高次脳機能障害の難しさ

ごまウシの普段のお仕事で遭遇する疾患として、「高次脳機能障害」という病気が存在します。この病気は、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの病気から、交通事故などに関係した頭部外傷にとおなった後遺症として発症するものなどがあります。 高次能と言う言…

不眠症と過眠症

本日は、不眠症と過眠症との相関についてお話をしたいと思います。 不眠症と言えば、当然ながら、眠れないことが軸にあるのは当然ですが、眠っていても眠った感覚がない事もありますね。さらに言えば、想定通り眠れないことも不眠という感覚になります。 一…

漢方セミナー

昨日の記事に有りましたとおり、ほかほかと暖かい朝の八百津町での講演会を終えたその日の夜には、Web講演会で、漢方セミナーがありました。 www.tsumura.co.jp ごまウシが専門としているのは、実は認知症診療だけではなく、緩和ケアの分野もありまして、ツ…

不眠治療の講演

本日は、普段あまり行っていない不眠症についての講演を行ってきました。今回の講演は、近隣のクリニックのDrに向けたもので、専門性は決して高くなく、普段の診療の中で遭遇する不眠についてのお話をさせて頂きました。 主催者は、睡眠薬を発売しているメー…

Si puo fare

イタリア語で日本語にすると「やればできる」と言う意味になるようです。これは映画のタイトルで、アマゾンプライムやYoutube(イタリア語)で見ることができるようです。 もちろん、この情報については、ごまウシが出所ではありません。実際、まだ映画を見…

秋の風情を楽しむ

秋の風情は、もちろん自然な景色を眺めるだけでも十分満喫できるのですが、ちょっとしたアレンジだけでも、十分その風情をさらに研ぎ澄ますことも出来るようです。 秋の置物 これはとてもシンプルに、配置しただけのものです。当院デイケアで飾ってあります…

サイコオンコロジー学会

本日の記事は、本命の学会についてのお話をさせて頂きます。会場は、都営新宿線船堀駅前にある会場でした。マップで見て頂くと、ぱっと分かる会場ですね。 船堀タワーホール 写真を撮ると江戸川区民ホールとなっていましたが、別の名前で会場となっていまし…

精神科診療について考える4

さて、ごまウシが医師として精神科診療を行っていることについての意義について本日は、考えてみたいと思います。あくまで主観が多く含まれておりますので、その点では、異論を唱えられる方もいらっしゃるかもしれませんが、あくまで、ごまウシの想いですの…

精神科診療について考える3

本日のテーマとしては、ごまウシが考える医師としての精神科診療の方向性と展望について考えてみたいと思います。 精神科診療は、昨日まで触れていたとおり、診療の道具は「口」です。決してメスを持ったりするわけではありません。そのため、誰でもできてし…

精神科診療について考える2

さて、引き続き精神科診療について向き合ってみたいと思います。 ごまウシは日々精神科診療というものに向き合っております。昨日表現をさせていただいた「身体科」との違いを踏まえて日々思う気持ちについて触れてみたいと思います。 ごまウシも一応医師免…

精神科診療について考える1

最近の悩み事…というか、考えごとでしょうか…ごまウシは精神科医としての活動をしているわけですが、果たして、どちらに向いているのだろうか…と言うところです。 精神科診療について、他の診療科では普通にやるのに、精神科ではやらないこと、そして、他の…

考え方と神経症

メンタルクリニックや精神科病院で、あるいは心療内科クリニックなどで多くの割合を占めている患者さんと言えば、神経症でしょうか。不安が積み重なっていたり、あるいは身体に症状が出てめまいや動悸・息切れといった症状であったり。 これら、いわゆる神経…

嘘つきと作話

作話(「つくりばなし」と読まずに「さくわ」と読みます)と嘘つきとは実は違いがあることを知っていますか? 作話というのは実は精神疾患としての症状の一つで生理学的には脳の前頭葉と言われている部分の機能障害から生じる現実には存在しない事柄を当たり…

他力本願と精神科診療

精神科医のほとんどが所属している学会が日本精神神経学会で、その学会が認める専門医制度が日本が認める精神科専門医になりますが、その学会でよく非公式に個別に話題になるお話として、日本の精神科医療システムでは、「患者をよくしてあげることは出来な…

せん妄治療中の傾眠

ごまウシの治療方針として、せん妄に限らず、面足るの治療、認知症の治療などに置いて、鎮静的な薬物療法は可能な限り最小限にとどめるという事を原則としております。 例えば、不眠症と言われるものであれば、睡眠薬の多くは鎮静であり、これらの睡眠薬をで…

黒子の大切な役割

黒子は、まちがっても、「ほくろ」と読んではいけません。今回の話題は、あくまで、「くろこ」です。 みなさんは、黒子と言えば、どのようなイメージをおもちでしょうか? 縁の下の力持ち、裏方のプロフェッショナル、助っ人、お手伝い、裏方… 私は、黒子は…

強迫のリングを打ち破れ!

本日は、精神疾患の中で、時々、見受けられる症状である、強迫について触れてみたいと思います。まず最初の注意ですが、「脅迫」ではなく「強迫」です。強いられ、迫られる症状を示します。一般用語かと言えば、そこまで一般的ではないかもしれないのですが…

希死念慮とは何者?

精神科の診療を行っていると、ほぼ必ずと言ってもいいほど遭遇するのが「死んでしまいたい」と言った発現です。いわゆる希死念慮というものです。突然このような言葉を聞いてしまうと、びっくりして動揺してしまうところがあります。死ぬというのは、簡単な…

一般的な睡眠薬と安定剤について

精神科の診療の中では、日常的に睡眠薬や安定剤の処方を行っております。さらにこれらの薬剤は、精神科にとどまらず、様々な診療科においても、プライマリーケアと言われる、日常の一般診療でも処方されることがあります。私たち医師のお仕事は専ら、せっか…

長期化するうつとの戦い

うつ病は精神科領域の病気の中では最も知れ渡っているものではないでしょうか。神経学的なメカニズムについても、まだ仮説と言われている部分もあるものの、だいぶ解明されており、多くの抗うつ薬が開発されています。しかしながら、現在もなお、長期化する…

時間の概念の差

以前からお話をしていますが、私は、いわゆる救急指定の総合病院と精神科病院をはしごとして仕事をしております。この異なった機能の二つの病院を往来していると、色々な点で、違いを感じるところがあります。もちろん、数字にすれば、誰でも気づけるのです…

抗精神病薬はやはりハロペリドールでしょう

本日のお話は、まさに「自論」です。だから、正しいと思って信じ込まないようにしていただきたいと思います。そして、さらに申し上げると、抗精神病薬のお話ですが、とても乱暴な簡便な分類をしてお話をしますので、異論を唱える方は多々いらっしゃるかと思…

幻聴と言われるものについて

幻聴と言えば、代表的な統合失調症の症状として多くの方が聞いたことがある症状だと思われます。もちろん、幻聴だけが統合失調症の特徴ではなく、この病名が意味しているとおり、思考の統合性が失調しているような状態にあるため、思考が奇異な変化を遂げ、…