ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。

精神科診療について考える1

 最近の悩み事…というか、考えごとでしょうか…ごまウシは精神科医としての活動をしているわけですが、果たして、どちらに向いているのだろうか…と言うところです。

 

 精神科診療について、他の診療科では普通にやるのに、精神科ではやらないこと、そして、他の診療科では目的としないのに、精神科では専らとしていることなど…。先ずはその点を触れてみたいと思います。

 

 多くの診療科は、もちろんですが、身体の治療に向けて診療を行います。これが主軸であることは間違いありません。メンタルケアを専らとする診療科は、精神科だけです。もちろん、多少は、多くの診療科でもメンタルケアもするでしょうし、ごまウシも含めて精神科医も身体的治療も行います。医師免許を保有しているわけですので、診療していけないわけではありません。

 

 身体を治療する診療科のことを、精神科では、身体科と表現をしてひとまとめにしています。それは、ある意味、精神科医のおごり的な意味もあったり、孤立した存在である意味もあったり、独特であることを示している意味であったり、様々ではありますが、少なくとも、「うちは他の診療科とは違う」という意味合いを前面に出した表現になります。

 身体を治療する診療科では、当然ながら、進退に問題がないかどうかの身体チェックの診察と血圧などのバイタル測定、そして、血液検査、日頃の体調に対する問いなどこれらから、各診療科が必要としている情報を集めていきます。日頃の通院では、日常的な面での生活指導や症状の有無などを確認する程度で終わったしまうことも多いでしょう。そして、時には、処置という形で、身体に、侵襲的な事を行うこともあります。化膿しているところを切開をしたり、あるいは、ギブスなどの固定処置を行ったり、時には、局所麻酔薬を注射して痛みなどを除去したり…。

 あくまで外来診療でのお話ですが、精神科ではどうでしょうか?それぞれのドクターの裁量にはもちろんよるのですが、原則的には、「お話を伺う」と言うことに徹します。もちろん、視診として表情や顔色などは観察をするのですが、身体接触を伴う診察を行うことはまずありません。そして、処置というものもありません。精神科医が、メスを持って化膿巣の切開を行うなんて言うことは、まずないでしょう。時々行うとすれば、注射薬剤の筋肉注射くらいでしょうか。バイタルについても、看護師にお願いをしていることも多いのですが、それすらもしていないことがあります。時には診察にベッドすらないお部屋も多くあります。

 

 精神科という診療科は、とにかく、お話を伺ったりする、おしゃべりを主軸とした診療であることは間違いないわけです。そのため、身体に触れることなく診療を終えることがほとんどであることは間違いありません。その点では、「身体科」の診療とは大きく異なっていることは間違いないことで、「身体科」という表現で差別化されるのも無理もないかもしれません。

 

 この身体を管理をしない精神科が抱く、思いという事について、あくまでごまウシの主観ではありますが、触れてみたいと思います。