ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。インスタグラムも始めてみました。https://www.instagram.com/goma.ushi/

高山出張④

 昨日までの記事で、講演会場である高山市文化会館に到着していました。と言うことでこの記事は講演のお話と言うことになります。

 

 今回の講演会は、主催は、岐阜県保険医協会およびMSDと言う形で、不眠と不安に関する講演を依頼されてお受けさせていただいたものです。普段の気楽な研修会では2時間コースの講演は時々行うのですが、ドクターを前にした講演の2時間バージョンは、なかなかなく、大丈夫か大丈夫かととても緊張してしまっていました。

 とはいえ、緊張していても仕方がないという事で、開き直り、いつものアドリブスタンスで開始させていただきました。

 

 内容については、詳しくはここでは書くことはできませんが、おおよその一般的な話題として触れさせていただくとすれば、こんな感じのお話となりました。

 

 話題としては、不眠と不安でしたので、大きく二つに分けて、先ずは不眠について、お話をさせて頂きました。

 不眠症は、病的な意味合いかどうかはともかくとして、眠れないという事で困ったことがあると言う方は大変多いでしょうし、むしろ経験がないという方の方が希とも言えるでしょう。この不眠については、専門として担っているクリニックや病院は非常に少なく、一般的なクリニックで窓口として診療を担っている実情があります。この窓口となっているクリニックで向き合える不眠についてと、そのような流れで一般的なクリニックでは不眠の診療を担うべきかというお話をしました。

 専門の診療科とは異なり、不眠について深く考察をしたり情報収集したりすることが難しい実情がありますので、その点を踏まえた上で、窓口的役割としてどのような取り組み方がベターかという事を検討する内容のお話をしました。

 

 そして、次のステップとして不安についてのお話をしたわけですが、「不安」ということ自体は生理的にあって当たり前のものであるため、この「不安」を全て治療の対象とすると、大変なこととなり、また、現在の治療手段としての薬物療法はバリエーションが乏しいため、容易な話ではないという事が実情にあります。

 また薬物療法を行ったからと言って不安をなくすことは出来ず、その場のしのぎをするだけに過ぎないという事も踏まえた上で、本来ならば、不安を強めてしまう考え方の癖を補正するような指導をしていくのが大切なのですが、一般のクリニックで果たして時間を注ぐことが出来るだろうか…と言ったところも検討課題となりました。

 実際にはあまり時間をかけることが出来ないため、最低限の取り組みとして、不安を受容する取り組み方と一時しのぎという限定での薬物療法についての提案をさせて頂きました。

 

 不安も不眠も、どこにでもどなたでも遭遇する症状であるだけに、全てを治療の対象とするわけにも行きませんし、薬で根本的に治療が可能というわけではありません。これらの症状にいかに上手に向き合うかという事が、日常診療の中で時間を割けない中で一つのコツがないものかと言うことを中心にお話をさせて頂いたわけですが、実際、現実的な取り組み方法を検討したものの、やはり容易なものではないかもしれませんね…。

 

 こんなお話をしてきました。

 後ほど、保険医協会の新聞に記事を載せてくれという依頼を頂きましたが、文字数がなんと1500文字…現時点で既にこの記事は1400文字程度となっているため、このくらいでいいのか…と思いつつも、これだけで新聞らしくまとめるためには…むしろ話題を絞ったりまとめたりしないといけないのではないかと思ったり…と。

 ブログと新聞記事とでは全く書き方も違うので事情は異なりますが、ごまウシのブログにおける推敲なし誤字脱字無視、読者への無配慮というスタイルは、新聞記事では出来ないため、しっかり推敲をしていかなければ…と思うところでした。