昨日は、あるはずのないものが見えると言う幻視についてのお話しをさせて頂きました。幻視については、いわゆる心霊現象と区別するのは極めて難しいところではありますが、その点は置いておいて、見えたという感覚自体は紛れもない事実であるという事は確かなので、それを否定するものではないと言ったお話をしました。
さて、次は、見えるの次ですので、聞こえるというものです。
幻聴についても、幻視とほぼ同じようなお話になります。音という空気の振動を内耳が把握をして、そして脳で処理され、意味も与えられて認知されるという事は同じです。
そこの部分で誤作動が起これば、聞こえていないものが聞こえてくると言うものだったり、聞こえたものの解釈が誤られて伝わるというものがあります。
今回は、聞こえ方の違いについて触れてみたいと思います。幻聴について、病態と聞こえ方を探求されていた先輩がおられましたので、そのお話を触れたいと思います。
統合失調症のような本格的な幻聴について…
「頭の中で響き渡る」という感じの聞こえ方だそうです。統合失調症の幻聴は、そのように頭の中に直に語りかけてくるようなものという事ですが、お話を伺うとそれを察することが難しいようなお話しのされ方をします。
「隣の家の人が私の悪口を言っている」
こんな感じのお話をします。実際のところ、建物も離れているのに聞こえるという事は、相当な大きな声で怒鳴られているように聞こえるのかと言えば、「ささやきかけ」と言う表現になります。
頭の中でささやきかけられているわけですので、距離というものは関係ありません。本人の近くでは、隣の家の人が、そこにいながらもろに頭の中に語りかけてきているわけですから、聞こえないわけがありません。
そのため、どれほどの騒音があろうが、静寂な状況であろうが関係ありません。ある女性の方は、自室で掃除機で掃除機をかけている最中に極めて具体的に近くのバイパスで近所の人が自分の噂話をしているのを聞いたと説明されることもあります。
一方で、精神状態が不安定なうつ病やその他の疾患において生じてくる幻聴については、「遠くから聞こえてくる」という表現が妥当だと聞いています。
遠方からと言うのは、決して至近距離ではないため、案外具体的ではない事が多かったりします。そのため、この聞こえ方については、半信半疑な感覚も持てやすく、説明や状況的な聞き取り可能かどうかの説明をしているうちに幻聴であるような認識を感じるようになります。
最後に、いわゆる「聞き間違い」については、聞こえているのは事実ですので、そのことに関連した音は確かに存在をしているわけですが、その音に対して本人の脚色が入り込むこととなります。
代表的なものとしては、肝試しの時に木々の擦れ合う音が誰かのしゃべり声に聞こえてきたり…電車の向かいの乗客にチラチラと目が合ってしまって場が悪いと思っていたら、その乗客が同乗者と話を始めると、悪口を言っているように感じてしまったりと…。
幻聴というものには、一言では片付けてはよくない部分があり、また、表現が適切かどうか微妙ですが、本物の幻聴と、偽物の幻聴(実際は幻声という表現になりますが)があったりと、実は種類があったりします。
夜道の暗いところで、人の話し声みたいなのが聞こえた際には、ボイスレコーダーできちんと録音してみて聞き返してみたり、さらには第三者に聞いてもらったりして、自身の脚色を除去するとよいかもしれませんね。ただし、第三者の方にまで、事前説明なしに話し声に聞こえた場合には、ごまウシが時々訪問しているお宅などに訪問されて、確りした儀式を受けられることをオススメ致します。