ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。

考え方と神経症

 メンタルクリニック精神科病院で、あるいは心療内科クリニックなどで多くの割合を占めている患者さんと言えば、神経症でしょうか。不安が積み重なっていたり、あるいは身体に症状が出てめまいや動悸・息切れといった症状であったり。

 

 これら、いわゆる神経症と言われる症状に対しては、薬物療法が、多くの病院やクリニックで繰り広げられますが、これが、なかなか、最終的に卒業するのが難しかったりします。

 

 ごまウシは、今は神経症についてはメインの対応疾患とはなっておりませんが、当初は、精神科領域の全般について担っていましたので、神経症についてはやはり、関わったことのある疾患となります。

 神経症の方は、お薬がバシッと合うと生活がとても安定したりするのもありますし、安定剤の効果がとても有効であることを実感したりします。

 しかし、問題がひとつあり、それは、いつまでも患者であり続けてしまう傾向が強いように思われます。統合失調症のように、どうしても器質的に症状が薬物療法をしっかりと行っていかないと、いけない場合を除き、神経症の場合、私の知る限りでは、ほとんどの場合、器質的な問題が必ずしもあるわけではないので、卒業…も可能なはずなのですが…。と悩んだ覚えがあります。

 

 神経症は、その方々の考え方の傾向に、共通している部分があると言えます。以下に挙げるようなところが共通認識でしょうか。

 

・イレギュラーな出来事が苦手である(想定外が不安)

・慎重である

・柔軟性が低い

・ミスなどを許せない実直さがある

悲観主義

 

 このような考え方が背景にあるため、想定外の出来事が起これば、恐ろしく不安になり、そのようなことが起こっては困るので、物事にとても慎重になり、新しいことでは想定外のことが起こりうるとして柔軟に対応できず、失敗などをひどく恐れ、何度となく確認をしてしまうものの、それでも迷惑をかけてしまうのではないかと悲観的に考えてしまったりと…。

 このような考え方の下で日々生活をしていると、精神的な疲労はとても強く、多少頭の中の回転を落としてでも気持ちを楽にしないと身体に症状が出たり、憂鬱になったりと大変です。

 だからこそ、安定剤といういわゆる鎮静作用のある薬が効果的であったりします。あくまで鎮静作用です。鎮静するとシャキッとするなんて言われるので逆にごまウシは驚いてしまったことがあります。ごまウシはためしに飲むと、寝ます…眠たいんですよね。

 

 神経症は、実際のところは、この価値観を変えていくことが大切と言え、日常的な価値観に基づいた考え方が変われば、とても生活の効率化が図れ、快適に過ごせるようになります。

 失敗を恐れるのは誰でもそうですが、失敗を前提として生活をしていると、何もかもが、落ち着かなくなります。失敗をしても、多くの事柄においては、なんとかなる場合があります。その時はその時だ…なんていう発想で過ごしていると、気持ちが楽になりますよね。

 また、動悸や息切れといった神経症の症状を体験してしまうと、「またなるんじゃないか」と考えてしまう傾向も強くなります。この考え方も症状を継続させてしまう理由になります。「またなるんじゃないか」は実は頭の中では「またなるにちがいない」と言う解釈に変わっているはずです。

 あそこに行けば、息切れをするはずだ。電車に乗れば動悸が出てくるはずだ…などと思っていれば、その場に遭遇すれば、何もしていないのに動悸や息切れが誘導されます。そうです。自分で導いているんですよね。

 でも、実際は何事もないもの。何事もないはずなのに、何事か怒るのを前提に物事を考えるとそのようなことになってしまいます。

 

 神経症の方、この神経の過敏さからの卒業は、とにかく楽観的で鈍感な考え方を身に付けることが重要になってきますよ。