ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。インスタグラムも始めてみました。https://www.instagram.com/goma.ushi/

本来の精神科診療

 ごまウシは、認知症の診療を行っているとは言え、精神科の診療を行っていることには変わりありません。そのような中で、日頃気になることとしては、診察時間です。

 診察時間の講釈は、必ずしも、診療の質を反映しているわけではないのは確かですが、質の担保のためには時間は必要と思われる部分があります。特に、薬物療法が安定しているわけではない方、薬物療法よりも日々の生活上の指導、傾聴なども含めた精神療法が主の場合です。

 ごまウシは効率がいいわけではないため、診察は余計にかかってしまうところがありますが、それでも、実情として、10分に一人の割合で診療するように電子カルテ上のスケジュールは組み込まれています。この時間の中で、どれくらいのことができるだろうか…といつも頭を抱えているところがあります。

 

 シンプルに10分間にできることとして…診察の実際を考えてみますと…。

 

1.ご挨拶、調子の良し悪しについて確認

2.基本事実確認;睡眠、食欲、リズムあたり

3.処方薬についての軽い議論

4.次回の予定

5.処方薬の残薬などを確認しながら処方

 

 10分で終わらせようとすると、このような感じになるかなと思います。他のドクターはもっと短くできていることもありますが、概ね、このくらいだと思います。

 

 ただ、実際のところ、以下のようなところも診療でなんとかしたいと思っているのですが…実際これに手を出すと相当時間かかります。

 

6.前回から今回までの間であった出来事を本人ペースで語ってもらう。

7.困ったことや悩んだことについて、詳しく説明してもらう。

8.家族が同伴している場合、家族から実情、客観的感想を聞く

9.思考の傾向について分析して解説を行う

10.課題を提案する

 

 個々で違いますが、これらに対処をすると、30分は超えてしまいます。

 30分以上の精神療法は保険診療での収益は若干上がるのですが、シンプルなお話しで、10人×3の30分の法が当然収益性が高いため、経営上は、短時間にいかにたくさんの患者を診療するか(さばく)と言うことが鍵となってしまいます。もちろんじっくり時間をかければ、次の方を見るの二時間がかかり、ごまウシはひどいときには2時間以上待たせてしまうことがあります。これがいいことなのか同何か…と思うことも多々あります。

 

 果たして、実際の診察時間の望ましい時間はどれくらいでしょうか?45分くらいではないかとごまウシは思うところではありますが…。収益性を担保して、さらに言えば、診察の外来の数を増やし、一人あたりが診察に当たる人数を減らすことができれば…と思いますが…。