ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。インスタグラムも始めてみました。https://www.instagram.com/goma.ushi/

認知症

認知症予防学会に参加をして

6月24日より26日までの間、ハイブリッド形式での認知症予防学会が開催されました。オンライン開催とは異なり、実際の会場でも学会が開かれているので、どちらに参加しても良いという事になります。新型コロナ感染症によって各種学会は、このような形に大きく…

認知症予防教室

今日は久しぶりに認知症予防教室における認知症レクチャーをしてきました。認知症予防教室は、私たち病院側のスタッフとともに、場所と広報を担当する行政担当者とのコラボレートで近隣の自治体の公民館を会場として行っているもので、シリーズで行っていま…

脳みそに届く物質

最近、医療機器を使った事業についての話しをしていることがありますが、その中で、時々話題になるのが、「認知症に効く」と言った話題です。もちろん、学術的に明瞭に証明されていない、可能性のあるものと言う話題に限ることではありますが、合点できるも…

アルツハイマー型認知症治療薬の新しい幕開け、光と影

先日、およそ二日間ほど連日アルツハイマー型認知症の新しい治療薬が発売されたことが報道されていました。厳密に言えば、アメリカの健康保険局FDAが条件付きで製造承認を行ったという事が正式な報道です。…と言うことは日本ではまだまだ先のお話です。 現在…

最近認知症が良くなったんです。

今日は久しぶりの専門のお話。外来の診療を行っているときに、たまにご家族から、タイトルのようなお言葉をいただくことがあります。あれ!?特別お薬変えたりしていたわけでもないし、ご家族の本人への対応方法がレベルアップしたのかなと思いながら、良か…

敬意を以て受け入れる加齢ともなった認知機能低下

認知症と加齢に伴った認知機能低下は、一定の水準で違いがあります。認知症であれ、加齢現象であり、現役世代から見ると、様々な人生経験をして現在に至っている訳なので、大切に受容してあげる必要があると思います。ただし、私が人生の先輩のことを尊敬の…

お酒と認知症

今日はお酒のお話をさせていただこうと思います。実は、お酒に関しては、いろいろと論文も投稿されているのですが、統一された見解がないところが面白いです。しかしながら、お酒を飲むと認知症になるのではないかという話題は、日常的によく登場する話題で…

幻視は実はあれに似ているのです ---2---

さて、今日は昨日に引き続き幻視についてのお話をしたいと思いますが、これは事例の紹介になります。この事例に登場する患者さんやご家族の方々には、貴重な事例として、いろんな場面で個人情報を特定されない形でお話しさせていただくことを快諾いただいて…

幻視は実はあれに似ているのです ---1---

昨日は幻聴について触れてきました。私の経験ではやはり幻聴と言えば統合失調症の方に多い症状という印象が湧いてくるのですが、幻視については、同じ幻覚と言われる現象ながら、統合失調症のほうではなく他の疾患をイメージすることとなります。今回はこの…

バイリンガルは認知症の進行は遅いのか?

こんな感じの文献を目にしました。バイリンガルそのものがとてもうらやましい言葉でもありますが、それなりの努力が必要なもので、認知症そのものは、この脳を使うことを頑張っている人は、仮に発症をしたとしても、症状が顕在化するまでに相当時間かかる(…

BPSD vs サポーター

本来は対立構図にすべきではないところではありますが、現実問題としてはこのようになってしまい安いため、あえてタイトルは対立構図としてみました。BPSDについては、おおざっぱではありますが、昨日の記載を参考にしていただければと思います。 さて、BPSD…

BPSDと向き合う

BPSDと言う言葉でハッと気づく方は、日頃から認知症に向き合っている方がほとんどでしょう。しかし、これが実際のところは何を意味するものなのかを十分理解されている方は、だいぶ少なくなることでしょう。このBPSDと向き合う事については、認知症と向き合…

老後の趣味を持つこと

老後のことについて、みなさん、考えたことはありますか?まだまだ先のお話ではないかと思われる方、もうすぐそばに定年を待ち受けている方、既に老後の楽しみを日々満喫されている方々…様々かと思います。シニア外来をしている中で時々感じさせられることと…

初期の認知症は内弁慶

アルツハイマー型認知症について、昨日、取り繕いのお話をさせていただきました。この認知症の診断が下るかどうかの時期の時は、サポーターである家族としてはかなり苦労が絶えない時期でもあります。その苦労というのも介護場の苦労よりも、対人的トラブル…

取り繕い

このタイトルからアルツハイマー型認知症を思い浮かべることができる方がおられれば、なかなかの通だと思います。今回のテーマはまさに認知症の代表格でもある、アルツハイマー型認知症になります。 なかなか診断が曖昧なことがあったり、時代とともに基準が…

サバ読みのお薦め

私事ではありますが、このブログを書いているときに、一つ年を追加することとなりました。加齢1年追加…なんて言い出すととても寂しいものがあります。年を重ねることを、年輪を重ねるという表現で表して、人生の熟練度の高まりを指し示すようなことを言えば…

自動車運転をやめるタイミングについて

日頃の診療の中で、今最も悩ませる事柄に自動車免許の返上のタイミングというものがあります。道路交通法の変更があってから3年ほどでしょうか、今までほぼ他人事で済ませられた、認知症の方の自動車の運転についての禁止の診断。(もちろん、問題となってい…

介護抵抗が発生する原因 ---2---

昨日は、介護抵抗について利用者側の問題を検討してきました。次は、介護者側の原因というものを考えて行きながら総括してみましょう。 3.介護者が原因となる場合 これは介護者が一番注意をしないといけないことを列挙することとなりますが、介護を受ける…

介護抵抗が発生する原因 ---1---

最近では、介護技術も向上し、介護の世界では、介護抵抗についての一定の対応方法などが見出されているかと思われます。しかしながら、未だに、十分な理解がもたらされていない施設も実際あるようですので、改めて、介護抵抗についておおざっぱではあります…

認知症とは…

今回は、初めて私自身が仕事として取り組んでいる内容に触れることとなります。講演会などでは、必ずと言っていいほど最初に語っている内容になります。 そもそも、認知症という言葉、一昔前までは痴呆症なんて言っていた言葉ですが、決してなんとなくつけて…