ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。インスタグラムも始めてみました。https://www.instagram.com/goma.ushi/

手持ち扇風機

 以前に紹介をしたことがあったかなと思って、過去のブログを見ていたのですが、紹介したことがなかったので、今回はそろそろ梅雨明けの時期でもありますので、手持ち扇風機をご紹介したいと思います。

 昨年の夏から手持ち扇風機を活用するようになりました。私の場合は、日中は建物の中にいるため、夕日の暑さくらいですので、そこまで激しい暑さと戦っているわけではありませんので、なくても…なんとかはなりますが、やはりあるととても助かります。

 手持ち扇風機は、そもそもは、USB等から給電を受けて使用する卓上扇風機から始まり、それにバッテリーをつけて持ち歩きようにしたものが、現在の物になります。様々なタイプの物があり、私が持っているようにひもで首にぶら下げて使用するタイプから、首掛けして左右からといったようなものまで様々な物があります。

 昨年使用していた物は、うっかり落としてしまって壊してしまいましたが、今年は、しっかりと首に引っかけて使用しています(昨年は引っかけのひもが邪魔だったので、使わなかったため、そのまま落下してしまいました)。

 風邪がないときに駅のホームで待つときなどはとても役に立ちます。それまでは必死に扇子で扇いでいましたが、仰いで汗をかいているみたいな感じでしたが、やっぱり電気を使っての扇風機は事情が違います。

 欠点を言えば、持ち歩きなので、さすがにそこまで強烈な風はないことと、ファンの音は若干周囲に聞きわたってしまうことでしょう。性能的には、バッテリーの持ちなど、あまりさはないように感じられます。そして、年々デザインがおしゃれになってきていますので、私のような中年オヤジでなくても使っていても自然体になりつつあります。一度、お試しください。

 

 

 

 

 

 

防塵マスク…間違いではないのですが…。

 アクセスの解析をみると検索して読んでいただける内容のトップランキングがなんと「マスク」であったことが最近分かりました。いつまでもマスクが関心事のトップであり続けるとは思いませんが、今回は、とてもびっくりするようなことに遭遇したので、そのお話をしたいと思います。

 マスクでも、そうそう、防塵マスクの装着者に出会ったんですよ。帰りの電車を駅で待っていたら、待っているホームの隣に電車が入り乗客が降りてきました。その中に防塵マスクをつけた人がいたわけです。思わず吹き出しそうになってしまったのは多分、私だけではないと思いますが、当の本人は真剣な面持ちで当たり前のように下りて階段を上っていきました。いろんな事が私の頭の中を巡りました。

 防塵マスク…私のイメージするのは、だいぶ古いアニメではありますがジブリアニメの「風の谷のナウシカ」です。あの時代は、私は、小学校から中学校あたりになるのですが、西暦2000年に向けてあと10年程度と「世紀末」と様々な騒ぎが巻き起こっていた時期です。第三次世界大戦が…ノストラダムスの大予言が…などなど。その中での「風の谷のナウシカ」人口的に開発された巨神兵というロボットにより世界が滅ぼされ、その後に虫の世界となり、その虫が死ぬとそこからカビが生え、カビの世界となり、カビの胞子などを数と人間は死んでしまうという世界で常時防毒マスク(防塵ではなかったと思いますが)をつけないといけない世界をイメージしてしまいます。

 まさに電車から降りてきた方は、いわゆる簡易式の使い捨てではなくて、しっかり密着させる、フィルターカセットを3つ使うタイプの防塵か防毒マスクでした。一瞬頭の中ではそのような、当時で言えば「世紀末」を印象づけるような、今では環境破壊によって通常では生きられない荒廃した世界をイメージさせるような雰囲気を醸し出していました。

 ご本人に確認したわけではありませんが、もちろんコロナ対策なのでしょう。ところで、このような防塵や防毒マスク、果たしてコロナ対策として不適切なのでしょうか?答えとしては、不適切…ではありません。それでは、適切なのか?…いやぁ…微妙ですねぇ…と言うのが答えになるかと思います。

 この答えは、防塵マスクの特性を調べたりすると見えてきます。防塵マスクは、通常のマスクと異なり、ゴムにより口と鼻周辺を完全に密着させ、フィルターカセットを通じてのみ呼吸をすると通気面で完全に管理された環境を作り出せる用途のために作り出された物です。そのため、きちんと装着すれば、通常のマスクと異なり、フィルター越しにしか呼吸できません。

 この時点で、多くの方が気づいたかと思いますが、防塵マスクをすると呼吸はとてもしにくくなることが分かりますよね。マスクを隙間なく装着したときに閉塞感はなかなかのものですがその閉塞感をさらに強めた物です。隙間からコロナウィルスが入り込んだりする心配はないため、通常マスクより確実に防御をしていることが分かります。そして、問題は空気を通すフィルターになります。このフィルターは様々な種類がありますので、このフィルターの空気抵抗も様々な物となります。コロナ対策として理想的なフィルター機序は、医療用マスクのN95並の物ではありますが、規格は異なりますが、防塵マスクにも同等程度の規格は存在します。

 言い換えると、きちんと密着させて装着したN95マスク並みの機能を防塵マスクは持ちうると言うことではありますが、フィルター次第では、布マスク並み、ウレタンマスク並み、不織布マスク並みの性能に落とすことも可能と言うことになります。さらに言えば、フィルターをとっちゃえば、単なるコスプレのお飾りにまで成り下がるという事です。

 以上のお話から、防塵マスクは、コロナ対策に確かに間違いではないことは分かりますよね。マスクの不確実な装着に比べ、防塵マスクは確実な装着となるため、防御性は、相対的には防塵マスクの方が上という事となります。

 欠点は、みなさん、だいたい分かってきているかと思いますが、とにかく、息苦しいことです。この息苦しいは、単なる空気抵抗だけの問題ではありません。密着度を高めると、呼気中の二酸化炭素も外に逃げにくくなりますので、マスク内は二酸化炭素で充満することとなります。私たち医療職においても、N95マスクをしっかり装着して、30分以上作業をしていると、頭がぼんやりしてきたりすることがあります。防塵マスクは、長時間使用しないことを推奨されているとおり、生理的な呼吸からするととても不健康なものとなります。そのため、通常のマスクよりも、物理的につけたり外したりを頻繁にしないといけなくなるでしょう。もし、手指消毒を十分していない場合には、手指についたコロナウィルスをなんとマスク内に持ち込んでしまうことになり、結果的に脱着によりコロナ感染症に罹患してしまう結果となりかねません。

 もう一つの欠点は、先ほど触れたとおりの見た目の問題です。この世の終わりのような状況を想像させたり、周りから見ると、防塵マスクで防がないような空気を私たちは吸っているんだという恐怖感まで与えてしまう物となります。また、マスク以上に表情が分からなくなりますので、まさにダースベーダーの正解です。

 防塵マスクは、粉塵が飛び交う工事現場や作業所にて使用する物であり、プライベートで使用するものではないため、普段の使用には周囲からもとても違和感を感じてみられてしまう物です。

 

 結論としては、防塵マスク…間違ってはいませんが…周りの風紀を乱したり、自分自身の呼吸器系の健康を害する恐れがあるため、パフォーマンスであってもそこまでの防御はオススメできません。また、パフォーマンスの場合は時に威力業務妨害で訴えられる恐れもありますので、周囲の方への配慮をお願いします。

 確実性は下がりますが、普段の生活の中では、この1年半の経験を踏まえても、不織布マスクときちんとした手指消毒が一番適切なガードになるでしょう。

 

 そして、最後に、防塵マスクを装着したその方に一言…。

 Tシャツ、短パン、草履、防毒マスク、フェイスガードなし…この組み合わせ、あまりに不自然すぎます。防塵マスクをするならば、当然フルフェースガード、遮蔽性の強いつなぎの服装、しっかりしたスニーカー、場合によっては帽子あるいはヘルメットなどといった完全防御じゃないとバランスは合いません。

 

 

水圧の激しさについて

 このお話は昨日の記事から続くものですが、夕立などで一気に雨が降ったときに、マンホールが吹っ飛び水が飛び出しているを見たことがあるでしょうか?あの吹き出す姿を見ると、水圧のすさまじさを実感することでしょう。しかし、水圧とは一体どのようなものなのか…これは少し気になったりはしませんか?…あまり気にならないかもしれませんが、まま…お話を続けますので読んでいただければ、幸いです。

 マンホールを吹っ飛ばすほどの水圧がどこからやってくるのでしょう?マンホールは実際、何キログラムかは知りませんが、一人で持ち上げられる重さではありません。実際水道工事などでマンホールを持ち上げている姿を見てください。最低3人以上の人が頑張って持ち上げています。安全に動かすためには二人では力不足で3人以上のひとの力が必要になるほど重さのものを吹き出すマンホールの水は、軽く10メートル以上、上空へ吹き飛ばしたりします。

 私たちが気をつけないといけないのは、吹き飛んだマンホールがふってくるのに気をつけるというのはまれな事故に過ぎませんが、それ以上に、空いたマンホールに誤って転落しないようにしないといけません。マンホールからは雨水が恐ろしい勢いで吹き出しているところに踏み込んでしまえば、溺れてしまう可能性が極めて高いので、水の使った道路を歩くときには細心の注意を要するところです。

 さて、このマンホールを吹き飛ばす力のお話をする前に、水という液体の特性を空気などと比べながら考えてみる必要があります。空気については、限られた空間の中に満たしたとしても、容易に容積を小さくすることができます。言い換えると、ビニール袋でも風船を作って空気をためても、手でしぼれば小さくすることができます。圧を加えたらその分小さくなると言うのが空気の特徴です。しかし、液体の場合はどうでしょう?水や油など液体は空気と異なり、圧縮することが難しいため、圧力を加えると、空気みたいに圧縮されるのではなく、そのまま圧を他の場所に伝播することになります。この特徴を活用したのが油圧式の重機類などの機械に使われています。油圧式の場合は、油も水と同じように体積を小さくすることができないため、この油にある方向から力を加えるとそのまま、周囲にその力を伝達することができるため、圧に耐えられる管を通して、力をあらゆる方向に導くことができ、上に導いたり、下に導いたりして、重たいものを運んだりするわけです。

 マンホールの付記飛びは、実はこれと同じ事が発生しているのです。一番わかりやすいのが、起伏のある土地などでは、大雨が降ると、雨水は当然上から下に流れていきますので、まずは道路などの雨水高から下水管に流れていきますが、その中の水は、さらに集合し、低い土地の下水管に流れていきます。このときの高低差がいわゆる水圧となります。5メートルの高低差があれば、5メートル分の水の容積分が圧力として、伝わります。

 結果としてのその圧力が、低い土地の下水に流れ込んだときに高低差より、流れる場所を失ったあふれた水は、情報のマンホールに向けて噴き出すこととなります。これが、そのままマンホールの吹き飛ばしにつながるわけです。たかだか数メートルの高低差でも、周囲から水が集まれば相当な圧力となり、重たいマンホールを吹き飛ばす圧とつながるわけです。このエネルギーを何かに活用できればと思うのですが、そうはいきません。

 そもそものはじまりは、重力によって作られた「位置エネルギー」と言われるものではありますが、自然の力というのは偉大なものですね。

 

 

雲行きで気をつけないといけない事の一つ

 今日はさほどでもなくなってきたけど、このところの雷を伴った一時的の折雨が降る夕立の気象現象。私は、窓越しでこの天気を眺めるのは好きなのですが、実際大変ですね。二日前は、この大雨の嵐が当地にも訪れ、洪水警報が発令されました。そしてその時に駅のエスカレーターが水没して、翌日は1日使用不能となっていました。

 集中豪雨と言えるこの夕立現象では、気象現象は様々なダイナミックな物がありますので、気をつけてもなかなか避けられない出来事が起こるものです。そんな気象現象になりかけていたのではないかという現象を二日前の大雨の時には目撃をしました。雨が降る前に駅に飛び込むために必死であったため、残念ながら写真に収めることができませんでした。なので、文字だけですが、そのあたりを書かせていただこうと思います。

 積乱雲は近づくと、まず、遠くから、雲から下っている感じが見える雨の柱が見えてきます。これが近づいてくるのが見えてくると、とても焦ります。極端な場合、路面もその柱に沿って濡れてくるのが見えてくるわけですので、さらに駅に向けて歩みを急ぐことになりますが、まさにそれが見えていましたのでとても焦りました。間一髪でしたが、駅の構内に入った瞬間に漏れ綱雨音が響き渡りました。もちろん、雷鳴も一気に近づいてきました。稲妻の光と落雷の音の間の時間が短くなりました。

 思い起こすところ、小学生の算数が個々に登場します。音の速さを秒速340メートルとして、稲妻が光って10秒後に雷鳴が聞こえれば、3.4km先での落雷と言った物ですが、その計算を光るたびごとにしてしまうところとなりました。既に1秒を切るような落雷が増えてきた頃です。

 空を見上げると、南から来た積乱雲と北から来た積乱雲がすれ違いながら融合するように見えてきましたが、その間で雲がぐるぐる回り始めて、下に伸びかけては消えていく不思議な雲行きが見えてきました。

 今日お話ししようとしていた気をつけないといけない事の一つは、この雲の動きです。実際目の前で見たのは、初めてに近いと記憶していますが、当地は起伏がある程度ある地域でもあるため、このぐるぐる回る雲が地面にまで到達することはまずないかと思われましたが、その雲が近づくだけで、周囲は猛烈な風が引き荒れました。そうです。これこそが竜巻の卵と言われるもので漏斗雲と言われる物です。

 激しい気象現象の時に、雲の中にぐるぐる回る渦巻き状の空気が発生し、その周辺の空気の圧が徐々に低下をし、そのため雲が徐々に地面に近づいてくる現象で、ちょうどお風呂の栓を抜いたときのお湯の流れに似たような物があります。特徴はしたに突出しているとともに、周囲の雲がまさにその突出を中心にぐるぐる回り出しているところです。

 平野などでこのような雲を見かけると、本格的に気をつける必要が出てくるかと思います。私もあくまで素人ではあるため、どのような気象条件で発生するかとか、積乱雲のどの位置で発生しやすいかなどは分かりませんが、この漏斗雲と言われる雲は、比較的わかりやすいため、この雲が近づいてきたときには、とにかく雨だけでなく、「風」二期をつける必要があります。竜巻に発展すれば、防ぎようのない暴風となってきますが、そうでなくても、突風が襲ってくる予兆ととれますので、雨より先に目撃できることもありそうなので、まずは、洗濯物の取り込みや、倒れやすい物の撤去などをし、雨戸を閉めるなどの対処を数分くらいの猶予がある撃ちにやってしまうことが重要でしょう。上空から下りてくる物なので、数キロメートル先から見えますので、間もなくではあっても、準備が間に合わないほどの時間ではありません。是非早めの風邪対策をお願いします。

 

 本日のまとめですが、夕立の時に気をつけたい物としては、もちろん落雷と雨になるわけではありますが、地面に下りてきそうなとんがった漏斗状の雲を目撃した場合には、突風も激しいと考え、風対策を講じておくことが必要です。時間にゆとりがないわけではありませんので目撃することがあれば、すぐ対策をして

 

 

おくと良いと思います。

定期券圏外神々のお宅訪問。Vol.7

 今回は、少し足を伸ばして、水の都と言われている、岐阜県大垣市にお邪魔してきました。その前に、ちょっと寄り道もしましたが、結果的には久しぶりに長距離歩行となりました。

 大垣市は、関ヶ原の山からの雪解け水もそうですが、雨水をたくさん集めている地域のようで湧き水がたくさん沸き起こる場所であると言われています。実際、こんこんと沸き立つ湧き水をご近所さんがボトルにくみ取ることなどをしていました。

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湧き水

 水量はとてつもなく多く、2Lのペットボトルは一瞬でいっぱいになる勢いでした。そして、水温がとても低く、凍えるような冷たさでしたので、本日のように30度を超えている状況ではとても気持ちの良いものでした。

 水の都という事もあり、今まで見てきたような境内が森の中という雰囲気ではなく、宙が開けている神社が多く、直射日光で日焼けをしてしまいそうな感じでした。

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茅の輪

 岐阜県の小さな地方都市での神社ではありましたが、私と同じようにしきりに周囲の写真を撮られていた方もおられました。御朱印も求められていたため、同じような活動なのかなと思いつつ、密を避けて訪れた地方都市ではありますが、同じように考えている方もやはりいらっしゃったかと思いました。

 ただ、私の神社のご案内はほとんど名称もお伝えもしなければ、歴史も語らないという、とんでもないお話ではありますが、神社という空気を楽しんでもらえればと思うところではあります。

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御朱印

 いただきました御朱印は、直接書き込んでいただきましたが、とてもすばらしいものでした。とても素早くすらすらと書かれていましたが、これほど力強いいきおいのあるものとは想像もしていませんでした。

 

 さて、今回はメインは、この大垣ではありましたが、帰りに、ちらっと途中下車をし、岐阜市金華山方面を歩いてきました。とてもハードでしたが、これから写真をずらずら並べますが、とても良い雰囲気の景色に遭遇しました。

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社内猫

 なついているわけではありませんが、動かずずっと鎮座されていました。最初目が合ったときは、かなり怖い目でにらんできましたが、お参りし終えた頃には、なんとなく慣れたのか、こちらをちらと見ながらも、警戒するわけでもなく、しずかに観察をしている感じでした。

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地蔵群

 次にご紹介するのは、神社ではありませんが、山道に、おびただしい数のお地蔵様が並んでいる道がありました。写真に登場するお地蔵様達は、ほんの一部です。とても険しい山道なので、息も絶え絶えになってしまいました。昔話に出てきそうな山道でした。

 

 大垣だけですと、予定していたコースが短かったため、すぐに終わってしまったので、岐阜市の山道巡りをした結果として、結構な距離になりました。ダイエットもかねていることもありますが、頑張っていますでしょ。

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移動距離

 

 

 

 

殿様商売はそろそろ辞めませんか?

 とある方から、質問がありました。「○○という薬は、潰してしまったりしますか?」というものでした。その方は、ある介護施設でお仕事をされている方ですが、とても入所の方のことを考えてお世話をされている方で、とてもすばらしいと考えのおもちの方ですが、その方からの素朴な質問です。

 お話によると、○○という薬を使うことで理解力が低下してきているようで、会話が成り立ちにくくなってしまったようなことを言われていました。さらに、その薬は大声を張り上げたり機嫌が悪かったら頓服として追加しても良いという事でした。その方から見ると、どんどんその方を潰してしまって壊しているように得るという事でした。

 薬を処方するのは、私たち医師の仕事ではありますが、この方の介護施設でこの方がその利用者に対してのコメントをする立場にはないようですので、おそらく通院には別の方のコメントなどがドクターに伝えられていることなんだろうな…と思うところがあります。

 さて、私のほうで、介護施設から寄せられる手紙やコメントというと…以下のようなお話が出てきます。

 Aさんについて「夜中にトイレによく起きてきます。そのたびにスタッフが捕まりますので、起きないようにしっかりお休みできるように睡眠薬の調整をお願いします。」

 Bさんについて「スタッフが注意をすると、とてもご立腹されます。治療をお願いします。」

 Cさんでは「認知が進んでしまったのか、他の方のお部屋に訪問されてしまいます。自分では歩かないようにお薬の調整をしていただけないでしょうか?」

 Dさんにおいては「車椅子に座っていただいても、勝手に歩き出してしまいます。転んでしまっては困りますので、しずかにしていただけるようにお薬の調整をお願いします。これ以上歩かれますと退所いただくこととなりますのでよろしくお願いします。」

 思い当たるようなお話はこのようなエピソードが専らのような感じがします。この手紙とともに、施設のケアマネージャーやフロアの主任さんがついてきたりすることもありますが、時には家族に手紙だけ託して受診される場合も多くあります。やっかいな事例は、家族に手紙が託されているケースが多いですが…。

 たとえば、Aさんの場合、施設の消灯時間を確認すると8時だそうです。夜ご飯を5時半に終わらせ、6じ過ぎには就寝役の早くがスタートするようです。そして、8時には全棟消灯するそうです。起床時間は、6時という事でした。さて…この状況においてお手紙を読むと、夜中にトイレによく行くわけですので中途覚醒という事ですが、どのくらいの頻度なのかどのくらいの時間なのかは情報としてはありません足の不自由な方で、普段は車椅子の方ですが、不眠なのでしょうか…?と言うところでみなさん、消灯時間から起床時間まで、しっかりお休みすることはできますか?8時から翌朝6時まで…実質10時間…私は無理ですね。7時間は眠れるかもしれませんが、それから先は、目が覚めてトイレに行ってしまいそうです。10時間も連続で寝られるのは、それこそ、中学生くらいまで…かな。10時間寝なかったら睡眠薬で寝てもらいますよ…と言うことを求めているわけです。ちょっと無茶ではないでしょうか?

 Bさんについては、そもそもはとても生真面目で実直な方ですので、アルツハイマー認知症を発症してからは、見当識障害にともなった理解力の低下により誤解を重ねるため、そのたびごとに家族とケンカをしていたという事もあり、入院対応をした方です。アルツハイマー認知症であることをふまえた上で対応方法を検討すると、起こる頻度は一気に減少させることができましたが、確実性が低かったので、少し気分安定薬を処方させてもらって、表情も穏やかに笑顔で病棟で過ごせるようになったため、施設に入所していただいた経緯がありました。しかし、入所とともに、このような苦情が入りました。家族の見た限りでは、時間に束縛されるようにせかしている感じがスタッフには見受けられると言うことでした。生真面目な実直な方にせかすような指示を出せば、ご立腹される可能性があります。ぶっちゃけでスタッフからは、「しずかにさせてくれ」と言うことでした。

 Cさんは、認知症対応をうたっている施設の入所の方ですが、認知症そのものの症状を抑えてくれという要求でした。さてどうしましょう?対応してもらえるのではないのかと思ってしまいますが、押さえ込めという事でした。

 Dさんについては、お手紙に脅し文句までついています。車椅子から立ち上がらないようにしなければ、施設から出て行ってもらいますという脅しがついているわけです。鹿もそこにスタッフが同伴せず、おどされた家族が手紙を携えてご本人を連れてこられたというパターンだったりします。脅しを受けていることを知らないご本人は、ニコニコとを笑顔を浮かべて挨拶をしていただけます。

 現在は、高齢化社会により、介護施設は、不足状態が続き、地域によっては、数十人待ちというのは当たり前の時代です。そのため、入所者がいつも満員となり、なくなられたりしてもすぐに埋まるという構図になっています。空床を抱えない施設がほとんどである現状です。ただ、介護保健制度の縛りにより、収益性はやや悪く、どうしても介護職員を少なめにしか設定できなくなっている実情があります。

 こんな実情もありますので、施設によって退所に困る方は、早々に退所いただき、対応しやすい方で施設を満員にしたいという思いが生じてくるのは、分からないでもありません。Aさんのような施設だと、日勤隊の間に夕食まで提供でき、夜勤者は就寝薬を飲ませて寝かし、定期的な巡回とおむつ交換を粛々と行った上で起床させて、朝食を提供して終わるというメリハリのある勤務ができるシステマティックなスタイルの仕事ができる施設なのでしょう。入所者はその勤務状況に合わせて10時間たっぷり就寝していただき、おむつの方は、しずかにベッドにておむつ交換され、その間はベッドから身動きしない方が望ましいというわけで、それに従わなければ問題のある利用者となるわけです。

 もちろん、認知症に真心こめて丁寧に対応をしてくれる施設も存在することは確かですし、最初にご紹介した方のように入所者をとても大切にして一人の人として尊重してくれる施設もあることは確かです。ただ、施設も万能ではありません。それぞれの施設に得意不得意があるのは確かだと思いますし、その点の住み分けもあってもいいことでしょう。

 しかしながら、このそれぞれの施設の特性については、全く公にもなっていない上に、私たちのような裏側の立場で合っても分からなかったりします。場合によっては施設職員すら自施設の特徴を語れなかったりします。

 ホームページやカタログには、どこの施設も、万能で力強く支援していくことが書いてあります。もちろんカタログには、車椅子にお上品に着座した満面の笑みの入所者が笑顔でスタッフを見上げて談笑している姿があります。そして、そんな施設において各種認知症対応可能などと歌ったりしています。私からすると、そんな理想郷のような情報を提示しておきながら、いざ入所すると、殿様商売と言わざるを得ないように、上から目線で、入所者は施設の方針に従順にしたがってもらうという事を強いるわけです。言うこと聞かなければ出て行ってもらいますから…そのような言い方をする施設があまりに多いのです。

 一部、施設が集中している地域では、下手に、どんな方でも診ますので、是非ご紹介くださいと認知症疾患センターに施設長がご挨拶にいらっしゃるところもあります。うらやましい限りです。

 しかし、介護施設は、様々な人生を送られた人生の先輩方を迎え入れるというとても崇高な目的のために存在しているはずですが、「入所したら、施設側の言うとおりに動いてください」というのはあまりにも失礼ではありませんか?このような殿様商売が横行しています。

 施設はそれぞれ、ハードの時点からそれなりのコンセプトが用意されているはずです。高齢により一人暮らしが不安になった自立度の高い方が集う施設、足の筋力などが低下して、移動に介助を要する方々の施設、認知症があり、徘徊などが賑やかしいが、脚力の自立度の高い方を迎え入れる施設、転倒のリスクが高い認知機能低下をもなった方に特化した施設、重度認知症の方だけを専門に見る施設などなど、それぞれに施設に機能分化があっても良いのではないかと思いますし、そのような、取り組み方は必要ではないかと思います。そのようなビジョンをホームページやカタログ、各病院や施設にて維持していただきたいものです。万能な理想郷を思い浮かべるような施設の輝かしい雰囲気を出しながら、入所したらルールだらけだとかは勘弁して欲しいです。是非、それぞれの施設がきちんとビジョンを提示して私たち専門医は、その施設のビジョンに合わせてご案内したり、その施設のビジョンに合わせて薬物調整したり、すれば、このような不幸なお話は減らせるのではないかと思います。

 

 結論です。介護施設は、カタログなどで万能施設としての売り込みをしながら、殿様商売で入所するとルールで縛り付ける傾向がありますが、そろそろ、そのような方向性をやめ、きちんと各施設の得意分野ビジョンを明確にし、入所者が施設に合わせるのではなく、入所者に合わせた施設選びができるようなそのような方向に向いてほしいものです。介護施設側からの意見はまた違うかもしれませんが、私たち医療者からはこのような方向性が分かれば過剰な薬物療法も減らせるのではないかと思います。

 

 

もしもし…聞こえていますよ

 帰宅の電車で普段見かけない若い女性グループ。周りに気遣うことなく大きな声でしゃべっている内容は…「○○先生、あの言い方ひどくない?それに、なんで、語尾に■■ってつけるの?へんだよね?」なんて言う話題で盛り上がっているグループ…なるほど悪口ね…私からすればどうでもいい事柄だけど、耳がある限り勝手に入ってくる。

 一方で、別に日には、同じように見かけない若い女性グループ。「今日の△△さんの○○ってわかった?先生に質問してもわかんなくってね…わかる?」と鞄から書籍を広げて奮闘するグループ。これも、耳に入ってくるんですよね。姿は、視野に入ってくるといった方が適当か…。

 そして、電車が動き出して車内放送が流れている中後ろから、「もしもし○○ちゃん、やっと終わったよ。今日ね、最悪で□□を忘れちゃって、大変だったよ。…?大丈夫声小さくしゃべっているから。」電話でのおしゃべりですか…。声の指向性により、後方などには聞こえないかもしれないけど前方にはよく声は届くものなんですよね。私の耳には、車内放送と同じくらいの大きさで聞こえてしまっていました。

 これは、全て、当院に来られている実習学生達でしょう。各病棟でたくさん見かけます。みなさん病棟では初々しい表情を浮かべ、物静かにノートをとって頑張って実習を受けています。看護学生はほとんどが女子学生、どうでしょう5人に1人くらい男子学生がいるくらいかもしれませんが、みな、指導教官の後ろについて、周りのリハビリをしている患者さんの邪魔にならないように最大限の配慮をしながら、熱心に実習を受けています。そして、患者さんとお話をしている学生さん、あの笑顔や真面目な表情を診た患者さんは、現役ナースには申し訳ないが、さぞ癒やされることでしょう。純粋な一般の若い人とお話しできるといううれしさがあるでしょう。もちろん、これは男性の患者さんに限った話しではなく女性の患者さんでも、学生さんとのお話の時間は楽しみにされています。

 私が学生の時にも病院での実習がありましたが、専ら大学病院限定。それからどうでしょう。詳細は分かりませんが、卒業して内科(研修医と言いつつも当時は義務化されていないので内科医扱いでした)を進みつつ、私が精神科に転科した頃あたりでしょうか、医学生も学外実習がどんどん増えてきたような気がします。学外実習でのマナーというのは私は分かりませんが、学生達は、病院内ではとてもすばらしいマナーに基づいた活動をされていると思います。学生達のこれからの成長とともに、次の時代の医療職としての役割を果たしてもらえることを切に願うところです。

 卒業し、就職をすると、私の勤めている地域はほとんどの方が自動車通勤となり、電車通勤はわずかとなります。職場から駅まで職員が連なって歩いていたら、おそらく、最初に触れたような出来事は見かけることはないでしょうけど、残念ながら、当院は電車通勤者がまれ、そのため、学生さん達は、電車で職員に出会わないので、完全に実習場所とは違う場所に帰ってきたという感覚なのでしょう。とてもリラックスした姿を見せているわけです。

 ところが、残念ながら、私は、見てしまった…と言うわけです。最初のグループは…「おいおい」と思わず突っ込みを入れたくなりますが、完全に愚痴ですね。愚痴はしゃべるとすっきりするように思われがちですが、さらに、嫌悪感を増強し、愚痴は愚痴を招くと言われているのが専らです。集団心理で嫌悪感は増強しがちです。それは、目をつむるとしても、電車の中は、コロナ渦において会話も控えめと言われているわけですから、周りに聞こえてしまう大きな声でおのお話はOut!ですね。当院の院長は、この学生達の本当の姿を危惧して、実習を受け入れたくないと言っております。コロナを持ち込むんじゃないか…と…。この心配を現実のものとしないようにお願いしたいところです。

 二つ目のグループは、勤勉学生に拍手喝采という事になります。実習で終わり、最初のグループみたいに終わった感満載で盛り上がるのでしょうけど、このグループはもちろん、声は大声ではなく、真剣なまなざしでしずかに周りに気を遣いながらの姿。このような学生さん達には、是非当院に就職をして欲しいと思うところです。看護学生達は医学生以上に時間がないとよく聞く話ですが、これだけ、勤勉なグループにはさすがに脱帽です。

 3つ目はグループではありませんが、これは気をつけないといけないことですね。ちなみにJR東海については、厳密な意味では、車内での通話は禁止されていません(あくまで控えてくれと言うこと)。なので、車内の通話が全面的にダメというわけではありませんので、通話を咎めるものではありませんし、それなりに声のトーンを落としていたようですので、その点も問題ではないと思いますが、しかし、ボックスシート型の場合は、前を向いて座って電話をしますが、案外前には声が伝わってしまうと言う事を気をつけていただく必要があります。ただ、車内での会話は控えてくださいという事は原則ですので、動き出してもお話をしているのは、よろしくないという事になってしまいますね。

 

 さて結論ですが、周りには意外とみられている部分がありますよ。と言うことが一つの注意ごとです。欲逆に見られている加茂と過剰に思うのも適切ではありませんが、見られていないから何をしても良いといった逆の発想も正しくありません。愚痴は良くないけどそれは黙認したとしても、他者の耳に入ったら心地よいものではない話題は、やはり、話すにしても慎重にすべきと考えられます。過緊張はよくありませんが、気の緩めすぎは、誰かが不快な思いを感じさせるような振る舞いについては、充分気をつけていくことが大切だと思います。

 そう、他人事ではありません。自分の普段の身の振り

 

 

もそうでしょう。