ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。インスタグラムも始めてみました。https://www.instagram.com/goma.ushi/

本音の世界

 本日は、医療や介護、そして障害者施設などで時々話題となる事柄について触れてみたいと思います。

 とあるスタッフからのお話がありましたが、これは、一事業所だけでなく複数の施設から聞いた愚痴の一つにこのような事がありました。

 

「あの人、悪意の塊みたいな人で、すぐに、悪口を言うんだよね」

 

 障害者施設のスタッフのお話としては、利用者が、職員に対して暴言を放って困らせているという事でした。

 また、他の事業所では、介護施設で、職員への暴言とともに面会に来ていた他の利用者の家族に対して「いつまでいるんだ、はよ帰れ!」と言った悪口を言ったりすると言うことでした。

 

 さて…この悪意って一体なんでしょう?

 スタッフとしては、入所者や利用者に対して陰性感情を持っていては、上手な関わりがもてなくなってしまうため、この「悪意」が真意であるかどうかはしっかり解釈をしておかなければ、問題になると言えます。

 

 くどいですが…この悪意…なんでしょう?

 

 ごまウシの意見としては、悪意は実のところ極めて高度な技術が必要と考えられるものと言えます。悪意のある行動は色々なパターンはあるものの、基本的には、悪意の対象者に対して潰れたり蹴落としたりすると言ったことが目的とするため、上手に相手を捜査をして蹴落とさなければ、悪意の目的を実現することはありません。

 

 さて、施設での利用者や入所者のこのような暴言は果たして「悪意」なんでしょうか?

 

 ここまでお話をすると「悪意」なんて言うものはないのは明らかですね。

 そうすると一体これは…?

 この答えは、「本音」なんです。思ったままのことをそのままためらいなく語っていると言ったところでしょう。

 

 後半で触れた入所者の言動は、まさに思ったままのことをそのまま発言したと言っていいでしょう。入所者からすると、他人の関係者が本人の感じる長い時間ずっと近くにいた場合、鬱陶しいと思ったことでしょう。それをそのままの表現で発言してしまえば、先述のような発言になることでしょう。

 

 認知症のように認知機能が低下した状態であったり、精神障害に関連した認知機能が低下した状態の時には、いわゆる遠慮するような配慮を働かせることが困難となり、思ったり感じたりすることはそのまま言葉として発せられてしまうことが増えてしまう状況になります。

 すなわち、表裏というような状況がなくなり、思ったままそのまま語られてしまう「本音」の世界になってしまいます。

 

 悪意のような巧妙の手法から発せられた暴言ではなく、思ったことを思ったままためらいなく語られてしまったことによる暴言となります。

 

 「困らせようとしてわざとこのような態度をしているんだ」とか、「貶めようとしている」などといった高度なスキルで暴言を放っているのではなく、思ったことを思ったまま語っていると考えれば、これらの暴言などに対する対処は、高度な悪意に基づいた言動への対処方法ではなく、本音で語られてしまった暴言としての対処でよいことになりますので、案外単純なものとなると言えます。

 

 世の中に「悪意」と言うことはたくさんありますが、時には、本音の直球が投げられていることがあるので、常々悪く膾炙することがよいわけではないという事を踏まえていくとよいと思います。