ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。インスタグラムも始めてみました。https://www.instagram.com/goma.ushi/

施設での認知症ケア

 認知症ケアについては、ごまウシの活動に限らず、様々な専門家が講演や研修を行っているのが昨今の状況と言えましょう。高齢化社会における、現在の社会問題としては、現役世代が相対的に減少してきてしまったため、経済的な高齢者への支援のための負担が増えたというのももちろんですが、それ以上に現役世代が担うことになる介護ケアの可能な人の数や施設などの数の絶対的な不足というのがあると考えられます。

 

 施設が少ないため、入所待ちの方が多くなり、結果的にやや批判めいた表現になりますが、入所者を施設側が対応しやすい方を選定して入所に導いてしまっている感が存在するようです。もちろん、どなたでも誠心誠意こめて…と言う施設もありますし、あいているのだから誰でもいいからは入ってもらいなさい…という発想まで、様々ですが、入所者が蚊帳の外になってしまっているところがないわけでもないという現状があります。

 

 ごまウシの職場の関連法人には福祉施設があり、そちらで最近は全職員研修という形で、複数回の研修を開催している最中です。1コマ90分で、冗長なごまウシは100分以上しゃべり詰めしてしまうと言う事をしているのですが…。

 

 さて、この施設での認知症ケアは、多くの施設で注目されていない部分があったりするようです。ついつい、認知症としての症状が強まると、その症状ばかりに目が行ってしまいがちなところで、アルツハイマー認知症レビー小体型認知症などと言った認知症に対する知識の蓄積などはこのような研修や講演で学ぶ機会としてあるのですが、実際のところは、認知症だけが分かったところで、対応が十分できるわけでもなく、さらに言えば、マニュアルどおりできるようなものでもないという事が現状です。確かに、マニュアル化するようであれば、AIロボットにどんどん置き換わっていくところがあると思いますが、実際はそうもできないでしょう。

 もちろん、身体介助については、AIロボットは、おそらく大きな役割を果たすことになると考えられます。入浴介助、おしもの世話などなど。ただ、AIロボットでは力不足な部分は、これらの介助にたどり着くまでのプロセスは、現時点ではとても難しいように考えられます。

 AIロボットはビッグデータを集積する力もあるため、認知症についての最近の治験や認知症の進行に伴った神経心理学的傾向についても情報として持つことができると考えられます。そのため、例えば、廃用で身体機能が低下した方へのトイレ誘導などは、転倒リスクを予測して対処することはかなりの能力を発揮する可能性があると考えられます。また他の例としては、重度の骨粗鬆症の方の移乗などで疼痛などを感じさせなようなポジショニングなどの検討は、データがあれば可能と考えられます。

 これらはあくまで、事務的な応対で入所者の方に了解を得ることができた場合であって、認知機能の問題で理解力が低下していた場合においても、その理解力の低下についてAI学習されあれば、その点も上手にできるとは考えられますが、そこまでと考えられます。一見するとそこまで分かれば、大丈夫じゃないかと思われるところもあるのですが、AIが対処できないところは、その方のキャラクターに対する配慮は現在の力では難しいと言えます。

 

 施設での認知症ケアは、認知機能が低下していることで見えにくくなったその方のキャラクターを読み取りながら行う必要があると言えます。キャラクターを分からずにケアを行っていれば、その方にとって心地よい療養環境かどうかは微妙と言えましょう。

 

 ごまウシとしては、常々、療養環境が当事者にとってどうかということを考えながら、現実的な介護者の勤務状況に合わせたサポートができるかどうかを探求しているところです。答えなどと言うものは存在しない実情ではありますが、日々アップデートをしながら、レクチャーなどもやっている今日この頃です。

 

 最近ふと、もうところで…話題の品が尽きた…と言うわけではないのですが、ごまウシ自身がランダムに話題を出すこともよいのですが、読者・通りすがりの方が、それとなく日頃気になっている事柄でごまウシが答えられそうなテーマがあれば、それをコメントなどで投げかけて頂けると、その話題で、記事を書いてみようかなと思ったりしました。

 全くごまウシではかけないこともありますが、ためしに…でいいと思いますので、遠慮なく投げてみて頂きますと幸いです。