ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。インスタグラムも始めてみました。https://www.instagram.com/goma.ushi/

虫のつぶやき

(本日は、昆虫であるセミになった気持ちで…)

 私たちは、一寸の虫にも五分の魂と言われるとおり、五分の魂で必死に生活をしております。それに比べ、人間様達の偉大さは、神様と比較できないくらいのものを感じます。

 私たちセミの仲間には、人間様には追いつけないですけど、同じ哺乳類のネズミ様方よりも長い寿命を持っているものもいます。しかし、頭の回転については、とてもついて行けません。私たちは、生まれたばかりの時には何も分からず、とにかく土の中に駆け込み、しずかに木の樹液を吸いながら、ゆったりと過ごしています。一瞬見た、土の上の景色を匂いという感覚に記憶しながら…。

 私たち日本に住んでいるセミはだいたい長くても3年から4年と言ったところですが、人間様はものすごいものがありますよね。最後の力を振り絞って土から出てみたら、何もかも大きくガラッと変わっていることがあります。もちろん、土の中でゆったり過ごしていたら、突然巨大なスコップで掘り出されてしまうこともあります。

 私たちは、人間様の活動に逆らうことはできません。しかし、それでも、どうしても申し上げておきたいことがあります。人間様方、少しでも耳を傾けていただけると幸いです。

 

1.あのまぶしいひかりをなんとかして欲しい。

  私たち昆虫の多くは、明るいものにはものすごく強い魅力を感じてしまい、それが危険だと思っても、飛び込んでしまいたくなります。そして、その行動を止めることがありません。人間様方が時々、開催されているイベントで、大きな火をたいて、その周りで踊ったりとても楽しそうなことをされていますが、私たちは、真ん中の火にしか注目できなくなってしまいます。多くの仲間が、そのまま火に飛び込んでしまって、燃えて燃えてしまうことがあります。

  でも火は仕方がありません。自然にもありますのでね。ところが、火ではないのですが、そこら中にある、あの白いひかりがたまりません。夜になっても夜という感覚がなくて、一生懸命鳴いてしまう仲間もいます。あの白いひかりは、そこら中にあり、私たちセミに限らず、小さな昆虫たちが飛び込んでしまいますが、火とは違って、燃えることはないものの固いつるつるのものにぶつかり、頭が痛くなるのですが、それでも、体が勝手にそっちに飛びとみたくなります。幸い私たちは体格が大きめであるため、飛び込む昆虫を狙った同じ昆虫のクモたちが糸をはって捕まえようとしていますが、その点は問題ではありません。

  できることなら、白い筒状のもの頭をぶつけ続けるのは気分の良いものではないため、必要がなければ消していただけると幸いです。火じゃないけどやっぱり熱いです。最近は、LEDなんて言うものに変わってきているので、そこまで熱くならなくなり、明るさも控えめになってきているので、私たちも惑わされにくくなってきていますが、惹かれてしまいます。暗い夜が過ごせるようにはならないでしょうか?

 

2.あんなに速く走らなくても…

  人間様方は、この巨大なものの中に乗り込んで、ものすごいスピードで走り回っています。ぶつかった仲間はみな即死です。恐ろしいです。小さめの、一つ一つが独立して走り回るものから、長方形のいくつも連なった巨大なものまで様々ですが、私たちは、あれにぶつかったら生きていることはできません。だからといっても、避けてくれるような俊敏さはないみたいなので、避けてくれそうにありませんよね。

  ただ、もっと深刻なのは、あの大きな走るもの達の夜の姿です。恐怖の塊です。ものすごく速いスピードで走るばかりか、先頭に明るい光をともして走るため、私たちは、惹かれてしまいます。そして、近づいたら、ものすごいスピードでぶつかってくるので即死です。

  人間様方は、私たちの残骸を明るくなってから、たくさんの水を強い圧力で吹き飛ばし、そしてブラシで洗ったりして、取り除いて、またピカピカになりますが、私たちの仲間は、ペラペラの姿になったままもう帰ってきません。人間様方には欠かせないものかもしれませんが、私たち、とても困ります。

 

3.つるつるな巨塔達

  人間様方は、つるつるなものがどうもお好きなようですね。あの明るい白い光を放つつつもつるつるでしたが、走ってくる巨大なものもつるつるでした。私たちが一番困るのは、私たちの目からすると、受益を蓄えている樹木と区別のつかない、大きな壁で囲まれたもの。中には目がくらむほど高い壁で囲まれたものまでありますが、とにかく、どこもかしこもつるつるなので、止まってお休みしようと思っても、止まれないから、バタバタしてしまいます。そのまま地面に落ちてしまって、その時ひっくり返ったら、最後とも言えるつるつるの床まであったりと…。カミキリ虫様のように、吸盤みたいにつるつるなところにもくっついて止まれる仲間もいますが、私たちは、かぎ爪のような形の足ですので、全てって捕まることができません。人間様、ぜひ、壁や塔を作るときには、できればザラメのような感じにしていただけると幸いです。

 

いかがでしたか?セミになった気持ちになれましたでしょうか?

今回初めての取り組みではありますが、これから先、時々、化けてみようと思います。