タイトルの通り、ウイルスの性状がコロナウイルスとインフルエンザウイルスとが一緒という事を言いたいわけではありません。希望的には、同じような扱いまで取り扱いを「軽く」したいというのがあるのですが、この同じ扱いというのが、感染症法に分類される、コロナウイルスが全例を保健所報告でかつ、入院隔離を前提とした第2類に分類されているのが、インフルエンザと同じ第5類に分類されるとインフルエンザと同じで、予防接種に治療薬、そしてかかったときも自宅で療養して、規定通り無熱期間2日間あれば復帰できることになりますよね。
さて、今回なぜこのような話題を今回持ち出したかと言いますと、これから先、コロナウイルスは、インフルエンザウイルスと同じような扱いができるようになるかもしれない…と言う研究の流れが垣間見えたからです。
インフルエンザウイルスは、かなり昔から予防接種が存在しました。しかし、予防接種だけで治療薬自体は存在せず、流行の抑止は、予防接種のみでした。コロナウイルスは予防接種ではなくてワクチンなので、意味合いは若干異なりますが、これからイスラエルなどで証明されるであろう集団免疫化することにより予防接種並の期待になるかと思われます(そういうデータが示されて欲しいですね)。
現在インフルエンザは、治療薬が存在します。その治療薬の最も最初に考えられ、使用が認められるようになった薬剤は、アマンタジン(シンメトレル)というお薬です。これは、インフルエンザの治療薬として開発されたものではありません。適応はパーキンソン病およびパーキンソン症候群の身体のこわばりなどを制御するための薬剤として開発されていました。しかし、それが、特にA型インフルエンザに治療的効果があるのではないかと見出され、適応追加を獲得することとなりました。ほぼ同時期だったかと思いますがオセルタミビル(タミフル)が登場し、インフルエンザに薬物療法可能な時代が到来したわけです。
コロナウイルスは、どうでしょう?治療薬としては、ファビピラビル(アビガン)が色々と言われているものの一応登場しているものの、なんとなく、頼りがいがないような感じがします。しかし、最近、九州大学で、全く違う分野の治療薬が、コロナウイルスに効くのではないかと研究が始まりました。クロミプラミン(アナフラニール)という薬剤で、精神科医ならば、広く知れ渡っている抗うつ薬の一つです。アビガンとアナフラニールを併用すると、格段の治療効果が上がっているという報告がなされつつあります。シンメトレルもアナフラニールも精神、神経科の専門医が愛用してきた薬剤、私の勝手な思いかもしれませんがこれから先、私たちの分野の薬剤が世界に貢献できるかもしれない…などと思っている今日この頃です。
是非、コロナウイルスをインフルエンザと同等扱いができる時代がやってくることを切に願っています。