ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。

理想的な精神科医の像(自論)---3---

 今回も比較的長い記事となりました。よろしくお願いいたします。

 

3.認知症診療、緩和ケア診療において必要とされる精神科医

 ここからは、自論が占める割合の多いところとなりますが、認知症診療および緩和ケア診療を行うなかで、求められている事柄があります。実際は精神科診療全般でも本当は求められていることだと私は思うところでもあります。

 まず、認知症診療では、この診療を行っている診療科が精神科だけにとどまらず、脳神経内科脳神経外科のドクターも診療に関わっています。認知症診療は、症状だけを診て診療を行うものではないという事を示しています。いずれに、認知症の定義などを触れる機会があるかと思いますが、認知症は身体の疾患や脳の構造的なトラブルも考慮に入れる必要があり、その結果として生じた精神症状に対して向き合う事となっています。そのため、内科的視点や脳神経内科的視点あるいは脳神経外科的な視点などが必要となります。

 また緩和ケア部門では、現在、厚生労働省が規定する対症疾患は、「がん」と「慢性心不全」に対する緩和ケアとなっているため、当然ながら、癌についてのこと、心不全についてのことをしっかりと理解している必要があるという事となります。癌であれば、治療経過の中で生じた機能障害から化学療法に対する機能障害までを理解した上で、それらの症状を緩和するという事が専らとなります。これらのつらさが、心理的な影響を与えるため、ここで精神科医の技術が必要になりますが、背景を知らずに関与するようでは片手落ちとなります。慢性心不全においても、強心剤から降圧薬など循環器内科の治療の技術を知っている必要もあるでしょうし、親善の現在の状態把握から、これらの苦痛の状況などから心理への影響を把握必要があり、それでようやくメンタルケアができると考えられます。

 以上のことから、認知症診療や緩和ケア診療に関わる精神科医は精神科の診療技術を浮遊しているだけでなく、現在のがん治療や心不全治療に対するフレッシュな知識を同時に有しているという事が求められていると考えられます。そのため、精神科専門医としての精神科領域の日常的な最新の情報収集にとどまらず、内科や外科の最新の情報の収集にも励んでいく両刀遣いをモットーとすべきと考えられます。

 

4.理想的な精神科医の像;アメリカ、カナダに多くいるオールマイティな精神科医

 理想像を語るに当たり、やはり、目標とするものがあるべきと考えられます。日本の精神科医療について、決して否定的な事を述べる立場にもありませんし、講釈つけられるような超一流の精神科医に私はなっているとは思いませんが、目指している方向性が広いアメリカやカナダの精神科医の像が私としては、目標になるかと考えているところです。

 アメリカやカナダにおける精神科医の位置づけは、「精神症状は、身体疾患を由来とする意識障害等の脳機能障害によって生じたものではない事を証明した上で初めて精神科的治療を施すことができる」としている点があり、そのため、精神科医は、特に内科的知識および脳神経内科的知識を日々アップデートしてそれらの疾患をしっかり理解し、診療できる状況にあってこそ、精神疾患の診断をすることができ、加えて、精神療法に専念することができると考えられます。様々な診療科の知識が必要となるため、アメリカやカナダでは、精神科の専門医になることは、あらゆる診療科の中で最も難しいとされています。

 難しいからとても崇高であるという訳ではありませんが、医師として、ひとを診るに当たり、健康に導くためには、体と心の双方がバランス良く健やかな状態を保つように戦略を立てる必要があり、そのためには、少なくとも内科的知識を常に最新の状態に保ちながら、精神科診療の知識を最新に保ち続ける必要があると考えられます。

 ここまで語ると、そろそろ現実にはどうなんだと言うことになりますが、これは理想論ではあるものの、やはり現実としては、必要とされているものとして考えて行く必要があると言えるため、最初の投稿でも書きましたが、「この理想像を日々目指して鍛錬していきます」と宣言させていただくこととして、今後有言実行に繋げていくつもりです。

 さて、どこまでできるやらいやいや、有言実行なんだから

 

 宣言をしてしまったので、色々と言い訳をせずに、やるだけという事になります。

 くどいですが、有言実行ですね。