とても専門的な用語をタイトルとしましたが、この名前の物質は、先週市場に登場したレカネマブが分類される種類の物質になります。
モノクローナル抗体と言う言葉は、細かい事柄を省いてお話しすると、人工的に作成された抗体ということになり、抗体という物質は、生体の中で異物や病的なものなどを発見したときに免疫細胞が印を作り、その印を参考に免疫細胞が異物を除去しに来るというシステムを発動する物質です。
レカネマブは、アルツハイマー型認知症で脳内に蓄積してくる老廃物であるアミロイドタンパク質に対してマーキングしてある物質で、レカネマブを体内に投与すると、アミロイド老廃物の情報を免疫系細胞に情報伝達され、脳内の老廃物を除去するために免疫細胞が動員されるというものです。
レカネマブがアルツハイマー型認知症における治療で革命的なお話として報道されているのは、アルツハイマー型認知症の原因に初めて手を下す薬剤として世の中に初めて登場したからです。
アルツハイマー型認知症としての治療薬としては革命的なレカネマブ、モノクローナル抗体に類する薬剤は、実は、初めて登場した薬剤ではなかったりします。
ごまウシのかつての知識としては、アミロイド老廃物に対する抗体よりもずっと前に、がん細胞に対する抗体を薬剤にしたものが複数種類、5年以上前から登場していたような記憶がありました。
ちょっと豆知識になりますが、このモノクローナル抗体薬と分類される薬剤は、名称に共通点があります。○○マブと言う名前になっています。アルツハイマー型認知症においてはレカネ「マブ」、それ以外にもソラネ「マブ」、ドナネ「マブ」などがありますが、アルツは今型認知症以外には、リツキシ「マブ」という抗がん剤があったりします。
これからもマブ製剤増えてくると思いますが、報道には先ずは物質名で登場することがあると思いますので、マブを見つけたら、モノクローナル抗体薬だと思ってもらうとよいと思います。