ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。

エーザイ様、今回は厳しいですね②

 さて、せっかく開発してきた医薬品であるアデュカヌマブですが、お値段が高いなどと言った諸事情は置いておいて、アルツハイマー認知症に対する、原因を意識した初めての治療薬なのに、なぜ、有効性が十分確認できなかったのでしょうか?このあたりの解説をしたいと思います。

 

 厚生労働省としては、医薬品は、その薬そのものがきちんと効果があることを証明していなければ、承認という形にはなりません。もちろん、その一方の副作用も派手でないことが条件です。その点であれば、効果がいくらあっても副作用が派手であれば、認可はされません。

 ファイザーやモデルナ、アストラゼネカの新型コロナワクチンの認可は、急いで認可したため、副作用については、かなりおおざっぱに流したところはありましたが、実際副作用はかなり厳密に調べていきます。

 

 今回アデュカヌマブが承認を保留された理由は、効果の有効性が十分確認できない…と言った理由で、副作用が理由ではありませんでした。

 

 病理学的には、アデュカヌマブは、間違いなく、アルツハイマー認知症の原因である、毒性を持った老廃物であるアミロイドβのオリゴマーに対して抗体として作用し、免疫的にこの物質を排除し、神経の崩壊を防いでくれるという事は、間違いなく機序として存在していると考えられています。しかし、その効果が十分証明できないわけです。

 

 なぜか…?

 これについては、様々な理由が想起されますが、認知症という病態そのものが関係しているのではないかと考えられます。アミロイドβによって障害された神経は、死滅していってしまい、その壊れた細胞の数が一定数蓄積していくことで、症状が出現します。アデュカヌマブは、壊れた神経を修復したり、復活させたり、神経細胞を増やしたりするわけではありません。新たに壊れる神経を減らしてくれるという事は間違いありませんが、壊れたものは直せないのです。

 すなわち、壊れて出現した症状は、そのままという事になります。

 認知症は、その症状そのものが、日常生活の活性を低下させてしまいます。これは壊れた神経によって生じるものですが、アデュカヌマブは、決してそれを改善させるわけではありません。そして、認知症の症状としての活性の低下は、その症状が、脳の活動の廃用につながり、いわゆる老化現象の促進因子となってしまいます。そうすると、アデュカヌマブを使用しても、その症状に対しての対策を講じなければ、結果的にはアルツハイマー認知症としての進行は止められても、症状から出てくる、脳の廃用および加齢現象は進行してしまうことになります。結果的に、薬物療法だけでは、必ずしも認知症の進行を抑制できない可能性があります。

 

 脳波、使ってこそ復活という方向に向くものです。果報は寝て待て…では良くなりません。と言うことは、薬を使ってゴロゴロしているだけで勝手に症状が改善するなんて言うすばらしいものではないことは確かなのです。

 

 厚生労働省は、純粋に薬だけの効果に着目しますので、認知症の進行防止策の運動などを併用することは医薬品の効果確認にはむしろ禁止して確認することとなります。さて、効果は証明できるでしょうか?

 

 アデュカヌマブは、病理学的には、間違いなく効果があるはずです。しかし、薬だけではやはり認知症そのものの症状改善は難しく、日頃の活気ある活動が重要で、日常の活気ある生活と合わせることで初めて絶大な効果を発揮できるものと考えられます。

 

 言い換えれば、日常の活気ある生活そのものは、脳の廃用と老化を減らしてくれるので、若々しい活動はさらに末永い若々しい活動を保障してくれるものと言えます。

 

 この生活指導とともに得られる効果が証明されると良いのですが…

 まだまだ、エーザイ様のご苦労は続くことでしょう。