ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。インスタグラムも始めてみました。https://www.instagram.com/goma.ushi/

副業推奨は過労を増やす?--2--

 さて、昨日は、働き方改革により、自発的に頑張ってお仕事をしたいのに、それが制限されてしまうことにより、結果的にお給料が減ってしまう可能背について触れさせていただきました。

 

 お給料が減れば、当然、何らかの方法で、所得を増やす取り組みをするわけですが、そこで登場するのが副業ということになります。

 副業は、本業以外の時間を使って就業することを意味しておりますが、働き方改革により、本業に取り組む時間が制限されていますので、副業がやりやすくなったのは事実でしょう。

 

 副業の取り組みは、本業だけでは体験できないやりがいや生きがいを生み出すきっかけとなるため、とても素晴らしい取り組みだと思うところがありますが、一方で、この働き方改革の弊害ともとれる自発的にやりたい労働を制限され、本業からの所得が減少することへの代償として考えるならば、あまりポジティブではないことも出てきます。

 

 例えば、働き方改革によって、夜勤の数の制限を受けたスタッフは、他の事業所での夜勤をバイトとして行うという発想も生じてくる可能性があります。医師の世界では、当直のバイトというものが存在します。

 このような、副業を行うことが時間的に作り出されるようになりましたが、本業から見ると、その時間は労働していないこととなるため、副業によって生じる疲労などのしわ寄せについては、自己責任となりえます。

 しかし、本業の働く時間が制限されていることにより生活の糧を考えると多少無理をしてでも副業をすることとなりえます。

 

 結果としては、本業では、過重労働とはならずに、過労で生じた事故などの労災などのトラブルは回避できますが、個人としては、生活の糧のために、本業の収益が減った分副業に時間を注ぐことにより、余計労働が重たくなり、トータル亭には過労に陥ってしまうことがありうるでしょう。

 それぞれの事業所では、決して過労になるほどの労働を強いていないにもかかわらず、全部の労働をトータルすると、働き方改革前よりも労働に束縛される時間が過剰の増加しているなんて言う事態なんて言うのも起こりうると考えられます。

 

 本業である病院で通常日勤をし、週2程度で夜勤をこなしていたスタッフが、週1の夜勤に制限されることによって、夜勤手当が減少したため、他の事業所で夜勤のパートをこなすようになり、労働時間は見た目上変わりないように見えるものの、夜勤をやっていないということは翌日に日勤をこなすことになるため、夜勤明けにそのまま日勤業務をするなんて言自体が発生することになりえます。

 週5日勤務が、気づけば、トータルでは週6ないし週7勤務となってしまっていたりと、過重労働がトータル的には無制限にできてしまうこととなります。やりがいだけでできているのであれば、問題はほぼないのですが、本業の給料が減ることによりしぶしぶ無理をしている場合は、働き方改革以前よりも過重労働と過労を導くような結果になりかねません。

 

 働き方改革は、ごまウシとしても、確かに、強いられる労働時間を減らしてもらい、プライベートの時間の質的量的向上を導いてもらえるのは素晴らしいことではありますが、所得獲得の事業所の分散と、結果的には、労働時間を分割するだけで、決して改革になっていないことも現実的にはありうることなのかもしれません。

 働き方改革が、いい形で、生活の質の改善につながるかどうかについては、当の本人の副業の意味合いによって大きく変わってきそうに感じられ、また、一方で過労に伴った労災についての個人責任を強め、法人責任を逃れる方向につながっているような気がしてしまいます。

 ごまウシが危惧するようなことにならず、前向きな施策

 

 

となればと祈るばかりですね。