ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。インスタグラムも始めてみました。https://www.instagram.com/goma.ushi/

副業推奨は過労を増やす?--1--

 働き方改革が進む状況は、最近のもっぱらの話題となっております。皆さんは副業はされていますか?

 ごまウシの業界においては、副業を禁止ている法人も多くあります。おそらく、副業禁止を就業規則などに乗せている時代はそろそろ終わりを遂げることではないかと思いますが、医療業界においては、いくつかの理由で副業を禁止していたりします。

 

 医療業界での副業禁止の理由としては、もちろん事業所によって考え方は違うでしょうが、以下のようなことが考えられます。

 

・副業ができるような規則的な業務ではない。

・副業することで、本業に集中できず、ミスにつながりかねない。

・副業により医療における守秘義務が脅かされる可能性がある。

・副業するくらいなら、自己研鑽に励むべき。

 

 理由の一番最後は、実際に耳にしたことがありました。個人情報を細かく扱い、さらには、責任分散が作りにくい中で正確性を求められてしまうため、ミスは可能な限り回避すべきであり、業務に集中すべきであるという考えから規則に盛り込まれていると考えられます。

 

 ただ、最近事情が変わってきたものがあります。それが「働き方改革」です。働き方改革は、残業などをせずに定時に帰らせる子をかなり主眼に置いているように考えられ、プライベートも含め、安心・安定の生活を確保できるような働き方に変えていくというものと考えられますが…。

 医師の働き方改革も確かに最近は言われていますが、この働き方改革と副業推奨は、セットで考える必要がありそうです。働き方改革は、ごまウシの実感では、残業制限がかけられているように感じます。残業については、一部は使命感があったり、時にはやりがいを感じていることで、自らの意思で残業をしていることがあります。残業にさせられ感はあまり感じていないところがあります。

 ところが働き方改革では、例えば、当直業務は夜勤業務という位置づけに解釈がかえられ、結果的には翌日に業務をこなすことを制限されてしまうため、当直業務の翌日の業務ができないため、結果的には、当直医は翌日は余分に休みを取ることとなり、結果的には日勤帯での医師の実働人数を減らすことになります。その結果としては余計日中が忙しくなるということとなります。また、医師不足を加速することとなるため、法人としては雇用する医師の数を増やすことになります。しかしながら、医業の収益は、厚生労働省が獲得する予算によって運営されるため、病院収益は、劇的に増収につながるわけにはいかないため、結果的には、医師の賃金を何らかの形で減らさざるを得なくなるというものです。

 看護師においても夜勤の数の制限などが加わるようなお話もあり、夜勤ができる職員が結果的に少なくなります。

 収益の器があまり変わらない中で、職員の数を増やすということは、結果的に一人当たりの給与が減ってしまうこととなります。

 

 ごまウシも実際のところ以前のようには、当直をさせてもらえず、「ゆとりある時にはやりますよ!」とお伝えしてもさせてもらえないことがあり、その一方でほかの方がやれる状況になくてもやらせてもらえなかったりします。

 自発的にやりたいといっても制限されるのが、働き方改革の実情であったりします。もちろん、ブラック企業といわれているところのように、「残業などを強いる」こと自体は難しくなっているため、その点はポジティブに取れる部分ですが…。