ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。インスタグラムも始めてみました。https://www.instagram.com/goma.ushi/

AIが医師国家試験に挑む

 ごまウシが時々参照している、医療系ジャーナルMedical Tribuneという新聞のような形で送られてくる読み物があるので、タイトルにあるような内容の情報がありましたので、おおざっぱではありますが、ご紹介したいと思います。

medical-tribune.co.jp

 

 日本の医師国家試験は、ごまウシも受験をしましたが、選択式の問題が多数出題されています。この記事は、日本の医師国家試験ではなく、アメリカの国家試験に対して実施されたものですが、アメリカの医師国家試験では、選択式の問題だけでなく、記述式もあり、さらには選択したうえでその理由を記述する問題があったりと、ごまウシは、アメリカの国家試験だったら合格もらえなかったかな…なんて思うところがありますが、このアメリカの医師国家試験で、チェックをしてみたそうです。

 

 AIはいわゆるビッグデータという人間では歯が立たない、大量の情報を集めたうえで、それを独自のプログラム機構を用いて、問われた内容に回答するというものです。ビッグデータの出どころ次第で回答が変わってくるため、おおもとのデータがどのようなものかによって答えが変わってくることがあります。何もかもを集めたデータで考察すれば正しい答えが出るとは限らないこともあります。

 例えば、最新のデータばかり集めたデータを参照しているAIの場合は、確かに最新なため、最新の回答をしてくれるわけですが、国家試験の点数が高くなるとは限らないことがあります。最新のデータは、一方で、追跡調査をなされている部分が少ないため、時には後々誤りであることが発覚することがあります。そのため、断定的ではなくて推測的な情報も含まれていたりすると、国家試験のような断定的な事実に基づいた問題には適格の回答できなかったりすることもあります。

 一方で、確定的だとされる古いデータを中心に集めたとしても、のちのその確定事実が否定されることもあったりと…データの集めたということ自体でも合格率が変わったりします。AIに提供するビッグデータは人がセレクトすることもあり、AIだったらすべて同じ結果をもたらすとは限らないことが言えます。

 

 さて、この記事では、あるAIに国家試験を解かせると、ぎりぎりではあるものの合格点に達することが確認されたそうです。決して優秀な成績ではないものの、ついに合格できるようになってきたというのは、ある種驚きであったり脅威であったりします。

 実際の日常診療では国家試験の点数だけでは診療ができるわけではありませんが、人間が確保できる知識量だけでいえば、圧倒的にAIに負ける現状、そのデータを処理する力の部分でもAIに負け始めるとごまウシもいずれお仕事を失ってしまうことになるのかしら…と思ってしまいます。

 

 AIが上手に動けるかどうかについては、AIに学習させるビッグデータを人間が上手に選んだりすることにすべてかかっているともいえ、AIと人間は切っても切れない関係であることは、これからも変わらないようですね。