今回初めて、オリジナルではない画像を拝借させていただきました。日頃の講演会などのスライドにおいては、活用させていただく機会もあり、みなさんも、必ずやどこかで見たことがあるのではないかと思う画像です。特に医療系の画像がとても充実しているので、ごまウシとしては神様のようにあがめているのですが、頑張って、お力を借りずにとは思っていましたが、やはり、神様の力を借りてしまいました。感謝感謝でございます。
本日のテーマは、まさに、これです。
さすがに、転倒直後の方の写真を載せるわけにはいきませんでした。しかし、この転倒は高齢者の医療・介護の世界では、とてもやっかいなイベントとして日々対策が議論されているところです。ごまウシもとても悩んでおります。
高齢者になると、単純に筋力の低下によって転びやすくなるだけでなく、反射神経の低下による姿勢反射が遅れて転倒に至ることもあり、身体的にとても転びやすくなっています。さらに、認知機能面においても、注意機能障害と言われている事柄により、危険だという認識が欠落することが増えてきます(ベッドサイドの棚のものをとるのにかなり無理して手を伸ばしたり、不安定なベッド上で立ってしまったり、さらには、車椅子のペダルの上にそのまま体重を載せて立ち上がろうとするなど無理な動きを軽快することなくしてしまう)。そのようなこともあり、認識の面でも転倒しやすくなっています。
病院・介護施設などでは、そもそも、高齢化している上に体調不良も重なり、さらには認知機能障害等不安定な歩行をする可能性が高い状況がある中で、やむを得ず行われている(いた)のが身体拘束となります。現在介護では身体拘束はできないと言うことになっているため、行われていないのですが、病院では、身体拘束はまだ実施されている実情があります。
法的には、人権侵害でもあるため、身体拘束を法的に指示してよいとされているのは、警察と精神保健指定医のみだったかと思います。
転倒を回避するためには、常々見守りをするという事になるのですが、今の医療や介護の世界で常々の見守りが可能かと言えば、厳しいものがあります。そういう点では「転倒やむを得ない」という考えもどうしても出てきてしまいますが、最大限努力をして、それでもすきを見てというような感じで転倒されてしまうことは多々あります。
そうすると、転びそうな感じがあれば、事前に拘束をしてしまうなんて言う事もあったり。また、家族から「ぜったに転ばせないこと」などと強く言われてしまうと、転びそうな機会をそもそも作らないために拘束をしてしまうなんて言う事もあります。
しかし、拘束をするとその分自由がなくなることもなり、立ち上がったり歩いたりする機会を奪ってしまうため、さらに筋力が低下し、転倒リスクが上がるという事となり、抑制により転倒リスクが上がり余計抑制を加除できなくなるというジレンマに立たされることとなります。
拘束はしたくない、一方で転倒させたくない。でも一方で、転倒を回避できるほど付き添いがいつもできない…などと、苦しみながら、もがいているのが、現場という事になります。