超高齢者において、加齢とともに認知機能が低下するのは、避けられないのは確かです。年齢とともに、忘れっぽさは増加することももちろんですが、臨機応変の対応力の低下、活動性の低下など様々な面で、現役時代に比べればだいぶ落ちてきてしまいます。
しかし、この加齢現象は、日常の活動性も含めて様々な条件により個人差が大きく出てきます。この個人差が大きいことが、間違いを起こしてしまうことがあります。
例えば、老夫婦で、旦那さんがとても外交的で、90を越えてもゴルフなどをして活発に活動している一方で、奥さんは、自宅で内向的に静かに過ごしていらっしゃった場合は、時には大きな差が出てくることがあります。
旦那さんからすると、一日中ぼんやり過ごしている奥さんが気になり、また、忘れ事も増えてきたりしているとして、認知症じゃないかと心配することも不自然な話ではありません。息子さんやお孫さんからしても、差は明白です。
そういった形で受信される方が時々いらっしゃいます。
認知機能検査などは若干低下しているものの、生活技能の低下はなく、認知症の診断基準は満たさず、しかも脳萎縮も明白ではなかったりすることも多々あります。いわゆる加齢に伴った認知機能が低下している程度…ではあるのですが。
幸か不幸か、元気な配偶者によって、本人は認知症扱い…こんな言葉は存在しないかと思いますが、まさに「相対的認知症」なんて言うものでしょうか…。
静かに過ごすこと、内向的に過ごすことも悪いことではないとは思いますが、くれぐれもぼんやりした過ごし方だけは避けたいものですね。ぜひ相対的認知症にならないように、ご夫婦で頑張って元気な老後の生活をしていきましょう。