ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。

行きたがらないデイサービス、どうします?

 介護保健サービスの中で、在宅支援分野では、大きく二つのサービスグループがあります。

 一つは、通所系サービスです。いわゆるお出かけして利用するサービスです。

 もう一つは、訪問系サービスです。自宅に職員が訪問してサービスを提供するものです。

 

 今回の話題は、通所系サービスの中の代表格のデイサービスになります。デイサービスについては、現在の介護システムの中では、最も大きな割合を占めていると考えられるもので、介護を必要とした高齢者のほとんどが利用したことがある、あるいは利用を検討したことのあるサービスと言えます。

 デイサービスは、利用に当たって、それぞれの事業所で、コンセプトが存在しますが、介護サービスの中で、いくつかの目的に基づいて構築されています。

 

1.日中の安全確保のために、介護スタッフが集まる事業所に来ていただく。

2.日中に通所頂くことで、ケアギバーである家族の休息タイムを確保する。

3.高齢者の身体機能の低下に伴って出来なくなった事柄を施設にてお手伝いし支援する。

4.社会活動から引退したあとの高齢者の交流のための集いの場所として提供する

5.リハビリテーションとしての役割。

 

 きちんとした役割については、厚生労働省のホームページにきちんとした定義が書いてあるかと思いますので、ご参照頂くと幸いですが、おおよそ上記のような目的を持って利用をしていただくのですが、ここの各事業所のコンセプトが投入されると、それぞれの利用目的の強弱がそれぞれのデイサービスの色となります。

 

 さて、このデイサービス、利用される方はどのような気持ちで利用するでしょうか?

 お風呂に入れる場所。お友達に会う場所。食事をとるところ。リハビリをするところ…。

若干認知症の診断を受けて進行した方は、「職場」なんて認識されている方もおられます。

 

 このような目的利用ですが、最初はおとなしく通ってくれるのですが、あるときから通所を嫌がる方がよく見かけるようになります。

 さて、この嫌がる状況の中で通所をオススメするべきでしょうか?やめるべきでしょうか?

 

 実は、この通うべきか、やめるべきかという判断については、想定以上に考えることがたくさんあります。

 それは通いたくない理由によってオススメの仕方が変わります。

 

 基本的には、通っていただけるようにオススメすべきと考えられる部分があります。もし、嫌がるまま利用を取りやめた場合には、行かなかったらどうなるかを見て頂くと、通って頂く必要性が高い理由がみえてきます。

 おそらく利用を取りやめて、通所しないでいると、ほとんどの場合、何もせずにぼんやり過ごして1日が過ぎてしまうことでしょう。何もしないで1日を過ごしてしまうと、脳みそが退化をしてしまいます。その結果としては認知機能の低下ということにつながります。そうするとさらに活気が低下し、無為な時間を過ごしやすくなります。

 実際、通所してもらうと、嫌がっていた割には楽しい顔して帰ってくることでしょう。そう、利用すると本人なりにも、有意義な時間を過ごせた実感を感じることが出来ることが多いのです。

 では、なぜ嫌がるのでしょうか…?

 これは、ズバリ「めんどくさい」なのです。

 

 加齢とともに、どうしても前頭葉機能が低下するため、意欲が低下してきます。そうすると、何かしたいなと思っても実際には行動化せず、ただ呆然と1日過ごしてしまうことが増えてしまいます。医学的にはアパシーなんていう表現で言われる現象となるわけですが、この現象は、やりたいことでも面倒だから言われるといやだとかやめておくなんていう風に答えたりします。だからといって本当に嫌悪感を持って嫌がっているわけではないのです。さっきのことばが理由です。面倒なんですよね。

 だから、出かけてしまえば、結果よかったと思う訳なのです。

 

 結論としては、行きたがらないデイサービスのほとんどの理由は「めんどくさい」が占めていると考えられます。そのため、その面倒はなんとか乗り越えてもらうために、少しプッシュしてあげましょう。それが、その後の認知機能の低下の進行抑止につながります。

 ただ、要注意なのは、対人疲労で、困惑して不快感を感じていたり、通所そのものが不愉快なものであったりする場合には、利用施設を変えたり、どうしても集団生活をなじめない場合には、訪問系サービスに切り替えていくなどを検討していくことが必要になる場合もあります。

 通所を拒む場合の対処方法として参考にしていただくとよいかと思います