神々のお宅巡りの方が先に登場してしまっていますが、本来の目的は、11月26日から28日までの3日間、タイトル通り、第40回認知症学会学術集会が開催されていました。会場は、東京駅と有楽町駅の間に存在する、知っている人は知っている東京国際フォーラムでした。
正直申し上げて、正面の看板…今までで最も地味に掲載されているように思えるのですが、参加者も少ないような…。
参加者は、私たちのような、一般的な認知症診療を行う専門医から、学術と言うだけあって、最先端の病態の研究、新しい治療方法を開発する研究者達まで様々です。
今回の学術集会のテーマは、まさに、その参加者層を反映している感じで「病態研究から治療そうして共生へ」となっていました。
学術集会への参加のメリットとしては、もちろん、研究者の方々を中心とした発表になるわけですが、それを一臨床家として、直接耳にする事で、書籍の知識をさらなる確実なものとし、日常の診療をアップデートできると言ったところが主たる目的になるのですが、それとともに、学術集会には、普段会うことのできない、専門家の仲間との再会があり、耳学以上にこの再会が重要な位置づけであったりします。
しかし、ハイブリッド開催となってしまったこともあり、今回の学会では、親しくしている仲間に出会うことはありませんでした。画面越しでは、やはり寂しいものがあります。
学術集会では、今回の認知症学会の場合は、5つの会場を用いて、それぞれの会場で同時並行に講演会やシンポジウムが開催されていきます。ハイブリッドやオンディマンドの開催になることにより、同時には参加できない講演を後日に聴講できるというメリットがあります。
各会場では、基本に立ち返った診断のお話から、疾患の病理のお話、さらには、認知症のケアについてのお話至るまで様々ですが、これから先、今まで持たなかった情報として必要になってくるのが、アルツハイマー型認知症にこれから先適応される治療薬アデュカヌマブの治療開始が可能となるためのバイオマーカー情報でしたので、バイオマーカー関連のお話を中心に聞いていました。
なかなか実用化の話題がありながら実用化からほど遠くなっているのが血液検査でアルツハイマー型認知症の診断をつけるというものですが、髄液検査が専らな中、どこまで現実的に可能なのか、と言ったようなお話でも盛り上がっていました。
学術集会に参加をしながら、これから先の認知症診療は、バイオマーカーの診断精度の高まりとともに、診断というものがAI化することも考えられる時代がそろそろ近づいてくるのかな…と思ったりします。
来年の学術集会も東京で開催とのことなので、ぜひ参加をさせて頂いて、たくさんの神々をお邪魔…いや違う違う、たくさんの知識をためていけたらと思います。