お仕事というのは、いつも同じパターンで同じようにこなしていくことが一番楽だと考えられます。いちいち細かく考えなくても、同じパターンなので、勝手に身体が動いていく。AIが導入されると真っ先に人間様がしなくて良い業務になってしまいそうなパターンですね。
また、同時に、この単純な繰り返しの業務は、業績としては、一定の水準をはじき出すことができると言えます。労働力の節約と安定収益。すばらしいパターンです。
ところで、この単純性。本当に良いのでしょうか?もちろん、この聞き方をしているという事は、「あまり良くない」と言うことを示しているわけですが、デメリットばかりではないと思うところもあるため、完全否定するものではないですが、単純性とともに必要なのが柔軟性でしょう。この柔軟性に伴った変化も合わせることで、発展していくと考えられます。
変化のない取り組みは、全体的には、その変化がない事への粘着性が生まれてきます。そのため、全体に変化に対する恐怖が表れてくるため、変化を求めようとすると、その変化の動きに対して潰そうという圧力がどこからともなく発生すると考えられます。
しかし、変化のない業務は、確かに、周囲の状況が変わらなければ、安定した収益、安定した経営状態をもたらすでしょうが、周囲が変化をしたりすれば、途端に下降の一途をたどります。変化がダイナミックであれば、必然的に対策チームなどを作って対策を講じることでしょうが、小さな変化については、粘着性の方が勝ってしまって、気づかないうちに周囲から取り残されて時代遅れとなってしまうことがある。その場合は、将来的な面では業績悪化が避けられず、気づいたときには復活不能な状態になっていることもあるといえます。
粘着性は、不必要なものではありませんが、粘着し続けることは、決して難しいことではありません。この粘着性に逆らって変化を導くことがとても難しいのです。それは、すべて一歩前に出る勇気が必要です。当然一歩前に出れば、以前にも話題に触れましたが、「出る杭」となるわけですから、たたかれます。たたかれても、負けない気合が必要となります。
この出る杭になるためには、当然従業員一人一人で行えるものではなく、やはり、その他宅パワーに対して強力に抵抗できる立場の人が行わなければなりません。
これは、経営者の理念になるかもしれませんが、経営者は、世の中の情勢をきめ細やかに収集すること(経済新聞や日常に新聞雑誌などからのニュースを仕入れること)は当然として、同業者の周りの動静も見ておく必要があるでしょう。周囲の同業者よりも上に立とうと考えるのであれば、周りが動き出す前に第一歩を踏み出す必要があります。また情報収集は外の情報収集だけではありません。従業員一人一人の気持ちの変化にもモニターしておく必要がありますよね。そのためには日頃、雑談など、経営者は従業員との垣根が小さい方が良いと言えそうです。ただ、垣根が小さすぎると、労使の関係で言う業務命令が浸透しないこともありますので、垣根のあるところないところと上手に調整することが大切でしょう。一歩前に踏み出すためには、従業員の抵抗もあるでしょう。ただ、日頃垣根を小さくしている部分があれば、その抵抗は共感によって小さくすることもできるでしょう。もちろん一歩に対するビジョンをプレゼンテーションできることも大切だと考えられます。
粘着性は、これに支配されていると、将来はやはり潰れてしまうと考えられます。そのためには、情報の先端を見据えた上での一歩を踏み出すことが大切です。その一歩も粘着性のためにたくさんの抵抗が発生するでしょうから、一歩ではなく、二歩も散歩も歩みを大きく力強くとる必要があります。そして、周りよりも少しでも早く抜き出れば、一歩リードすることで将来有利に働くでしょう。
この一歩に周囲への理解が伴うようにしっかりプレゼンテーションをし、日頃の人間味のある付き合いの中で、共感を持って突き進めば、柔軟性が生まれてくるものと考えられます。
奇抜だと相手にされない経営者から、先賢の目があると羨望のまなざしで見られる経営者へ時代は、変わっていくことでしょう。