ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。インスタグラムも始めてみました。https://www.instagram.com/goma.ushi/

身の丈に合ったプライドであるために

 ごまウシが遭遇する診療の場などでの出会いでは、様々な方との遭遇があります。患者さんに限ったお話ではなく、ここの人柄と言うところになりますが、とても学びの場になり、さらにごまウシの成長につながっていると確信しているところではあります。

 その中で、プライドと言うものに、焦点を当ててみようと思います。

 

 プライドというのは、もちろん日本語としては自尊心と言う言葉になるわけですが、自分自身と尊く考えるこころと言うことになりますので、自分を大切にする気持ちということで、決して悪いものではありません。ごまウシのお仕事の場合で言えば、自分の事を大拙に出来ない人は人を大切にすることも出来ないので、自分を大切にすることを重要視はしています。

 少し余談にはなりますが、人を幸せにするということも同じことが言えまして、自分が幸せでなければ、相手を幸せにする事は出来ないと言えます。もちろん逆の場合は、大いに感謝していく必要がありますよね。もちろん、相手から幸せのお裾分けを頂いた場合には、もちろん幸せになることでお答えをすることが大切になります。

 

 自尊心は決して行けないものではなく、とても大切なものであることは、先ほど触れたとおりではありますが、この自尊心は、自分にとってとはいいましたが、自分の取り巻く社会も含めてのことになるということを忘れては行けないところになります。

 例えば、会社の社長さんであれば、当然社長業をするためには、自尊心はとても大切で、自信を持った姿で振る舞うことは、会社としては必要不可欠なこととなります。社長としての威厳は、当然自尊心から沸いてきたものになります。

 ただし、この威厳というものが脅威になってはいけないのは言うまでもないことです。社長の自尊心は、その会社の自尊心であり、会社組織そのものの全てに波及するものであるため、従業員にとっても大切なものとなります。そのため、自尊心を縦にして従業員を見下してしまったり、従業員に対す手高圧的な対応をしたりすると、自尊心が従業員に対して威圧する結果となり、自尊心は攻撃の武器となってしまいます。そうなると、自尊心は結果的に自らの社会的破滅を招いてしまうこととなります。

 この自尊心が暴走するようなことが生じると、知らないうちに自慢話の塊と高慢な態度の塊になってしまい、周りが見えなくなってしまいます。いわゆる裸の王様になってしまうわけです。裸の王様は、周りもあがめるような言動で支えているようにみえていますが、実際のところは、みながそっぽを向き、おちょくっているに過ぎません。中国の慣用句であれば、四面楚歌と言う言葉がまさにそうですね。

 

 それでは、なぜ自尊心は暴走してしまうのでしょうか?実は暴走している自尊心は、自尊心自体が小さくなっていることにより、自分を守るために、周りに対して見下し、批判し、威圧することで跪かせるような動きになっていることになるのです。そして、自分を保つために、周りには、自分の自尊心を担保するような強力な人脈で身を固めて、まるで自分がすばらしいような振る舞い方をして、威厳を保とうとします。ここまで来ると、他力本願という事になります。他力本願は、悪いばかりでは決してありません。助け合いというものが軸となっている人間社会ですので、他の方の優れた力に頼り、助けてもらうことは決して間違いではないと言えますが、助けてもらった分助けてあげるというバランスの上で成り立ちます。

 

 ここで大切なのは、自尊心は、自分自身の現状の実力に合わせて持たなければ、周りの人を利用するばかりで重装備の人脈を作り、その結果として、周囲を見下したり威圧したりしてしまうと言う結果として、いわゆる「わがまま、自己中心的、ワンマン」と言ったような描写をされるようになり、関われば攻撃されるため、周りが一定の距離を保ちながら、離れて言ってしまうと言う事になります。最後に残るのは、重装備をしておきながら、その装備が型崩れしてしまって、動けなくなった自分だけが残されてしまうこととなります。

 自分の実力というものを推し量るのは、大変難しいところではありますが、基本的には、ギブアンドテイクの関係が構築できる中で、自分自身が引っ張るべきところで自分自身の責任で取り組めるか、逆に、自分自身が出来ないところで、他者にお願いをするために自尊心を小さくして頭を下げることができるかどうかと言ったことになると言えます。

 結果として、自分を取り巻く社会が安定していくような形で自身の自尊心がバランスとれればいいと言えます。

 身の丈に合ったプライド、そのプライドは、最終的には、自分が取り巻く社会への感謝の気持ちとその社会に対するプライドを同時に持ち合わせた中で波長のとれたプライドを持っていくことといえます。

 

 自尊心を高めることは、自分の周囲の社会への自尊心を高めることであると言えますね。

 

 日々の生活の中で、周囲の人たちに感謝して過ごすことがこういう点では最も大切なこととなりますね。