昨日書きましたお話の発展系にはなりますが、私たち日本人の特性は、「出る杭は打たれる」を骨の髄まで染み渡ったキャラクターをベースとして存在していると言うことを踏まえると、ひとの力を借りるときには、役に立つのではないかと考えられます。
1.匿名性の効果
匿名として真っ先にひらめくことは…私がひらめくことですが…ネットの世界です。もちろん厳密には匿名ではありません。私もごまウシなどと、おかしな名前を名乗っておりますが、それでも匿名ではありません。しかし、通常の調査程度では匿名性は担保されているのがネットの世界です。それが、最近の報道では、悪い方向に向いていることが注目されています。これが、「炎上」であったり、「誹謗・中傷」のつぶやきや様々な投稿で、通常の調査では個人特定されない事を悪用して、好き放題ブレーキを外して発言している姿となります。この姿を見ると、外国の人が言っているような日本人の姿とはだいぶ違いますよね。「クールでシャイなジャパニーズは、どこへいったかしら?」などと言われてしまいそうです。
匿名になると、思ったことがためらいなく言えるようになってしまうのは、匿名によって、自分自身が「出る杭」にならないことともに、自分個人として他者に目立つことで迷惑をかけたりすることにはならないといった事情からでしょう。報道されている匿名性の効果は、ある意味では悪用した場合の意味合いになりますが、良い意味で言えば、遠慮して言えなかった貴重な意見が、匿名により自然と出せてしまうことにあると言えます。事業を展開したり、会社でプランについて議論を深めたりする時には、この匿名性をうまく活用できると社員一人一人の力を総動員し、企業パワーの増大につながるのではないかと考えられます。
2.匿名性の活用
匿名性の効果を考えると、この効果をやはり、事業展開には是非活用したいものです。その時に、最も役に立つと考えられるものが、アンケートではないかと思います。ただ、アンケートは不特定多数を対象としたものとはこの場合では意味合いはだいぶ異なります。事業展開をするに当たってアイデア開拓をする場合、例えばその部署にアイデアボックスを用意をして、部署の社員にオープンクエスチョンで意見を求めておくと案がひらめいたときに気楽に投函できるようになります。アイデアボックスを開けて、そのアイデアを集めて、議論を進めていったりすると、革新的な事業展開ができる期待が高まるでしょう。
3.具体例
アンケートなどの取り組みで案を集める具体的な事例としては、ブレーンストーミングとKJ法の組み合わせでしょう。ブレーンストーミングおよびKJ法については、ここでは詳しく語らないこととしますが、おおざっぱに言えば、ブレーンストーミングとしてあるテーマについて、自由に意見を出してもらうために、批判的、非建設的な意見に対するコメントを禁止した上で、順番に意見を求めていく方法で、KJ法は、さらにその意見の出し方を紙に1行程度でどんどん書いていき、テーブルの真ん中にみんなで投げ込んでしまうことをします。そして、ある程度投げ込まれたものにボリュームが出てきたところで、類似意見ごとに仕分けしながら、出てきた案の総括図を作るような形でまとめ上げる作業をみんなで行う者です。
意見を投げ込む作業をしている時点で、匿名性が担保され、そのため、思ったままの意見がそのまま、場に投じることができるようになるというものです。さらに、出てきた意見を整理整頓することにより、総括させることができ、最後には一つのビジョンという形のテーマに仕立て上げることが可能となります。
以上のように、アンケートという手法の匿名性を活用できれば、新しいビジョンや開発などが気遣いや遠慮等の壁を取っ払って進めることができると言えます。