ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。

忠誠心を活用するためには

 先日までは忠誠心を育み、人材の効率活用について触れさせていただきました。今回は、この人材活用の集大成とも言えるものとして、忠誠心を持ってくれた従業員がこの忠誠心を事業に上手に注ぎ込んでもらうためには、どのような作戦でのぞむべきかという事について触れたいと思います。

 前回までの振り返り、事業所における従業員の動きは、基本的には雇用契約に基づいた動きをする事となっています。しかし、事業所としては、雇用契約に書いたいわゆる金銭契約上の動きだけですとやはり効率が悪く、事業自体に温もりは沸いてきません。それ以上に個々の人材が活躍することで、他の事業所との差別化も図れる上に、収益性も上がってくるわけです。そして、職場が快適になれば、退職者がたくさん発生することもないため、親密な関係性を保ちながら、事業所全体がさらに成長して行くこととなります。

 さらに言えば、従業員自身が、事業所に対して、さらなる発展を図るための知恵を絞り出してくれます。これがまさにボトムアップという現象です。通常事業を展開するに当たり、事業主が、従業員に対して、事業所の運営の仕方や仕事の仕方などをトップダウンという形で伝達し、雇用契約に基づいて動くものです。雇用契約飲みの気持ちで働く場合、トップダウンがなければ、その従業員は、就業時間中何もせずに過ごすこととなります。すなわち、トップダウンは、事業所の基本的な最低限の働き方を事業主が従業員に教授するもので、それ以上のものではありません。

 雇用契約にさらに、事業主に対する忠誠心がしっかりと育まれた環境ですと、事業主が喜ぶ顔を見たいことも考え、事業をどのように効率よく展開したらいいのか、従業員同士が話し合いを行いながら、知恵を絞り、仕事のやり方についての提案をボトムアップする形で事業主に提案をするようになります。この提案をしやすい環境にしていくことは、基本中の基本で、事業主は、従業員の意見をいつでも耳を傾けることができる体制にあり、従業員から見ると事業主が雲の上の人ではなく、尊敬すべき先輩のように身近な存在であるべきです。ただし、お友達であってはいけないと思います。お友達であれば、忠誠心そのものが緩んでしまいます。

 本日のお話は、このようなボトムアップも含めた忠誠心の濃い従業員が育まれた状況の中で、この忠誠心を如何に上手に事業主が運営していくかどうかと言う事がテーマとなります。

 これは、究極のテーマとも言えますが、このテーマの結論は、従業員が事業の発展のために、忠誠心を集中させて団結をして一つの方向を目指すことを意味します。事業を展開する店においては当たり前のことではありますが、実際は、従業員は、忠誠心を持っていても、あっち向いたりこっち向いたりと、エネルギーがあちこちへ放散され、効率は決していいわけではありません。そのエネルギーを一つの方向に向けることや、エネルギーを上手に分配することこそが、事業展開における忠誠心のエネルギーの上手な活用方法となります。

 この忠誠心のエネルギーの上手な活用方法は、学生時代に育まれたサークル活動の取り組みに似ている部分があります。ちなみにサークル活動は、お給料はありませんし、雇用契約は存在しないため、今回の話題で言えば、忠誠心だけで作り上げられた集まりといった方が良いかもしれません。

 サークルには、概ね3つのパターンがあるかと思います。1つは、体育会系サークル(団体スポーツ)、2つめは個人スポーツ系サークル。3つめは、文化系サークルと言う形で区分できるでしょう。この視点で事業所を見てみましょう。

 従業員の集まりは、どのようなサークルに当てるとなじむでしょう?団体スポーツの体育会系ですか?それとも個人スポーツ系ですか?あるいは文化系ですか?

 団体スポーツの体育会系は、対戦相手に対して、チーム戦で戦いを挑み、勝利を収めていくものです。事業所で言えば、他の事業所に対して競争し、勝ち抜いていくことを意識した取り組みとなります。

 個人スポーツ系は、味方もライバルになるのですが、頼れるのは自分の技術。とにかく自分の技術を磨き、味方とも切磋琢磨した上で、最終的にはチームとして優勝を勝ちたる事が目的となります。事業所で言えば、職人さんを雇っているような事業所では、それぞれの従業員の技術を伸ばし、同僚と切磋琢磨しながら、最終的に事業所として、他の事業所と差別化を図っていく(うちの事業所は負けないぞ)と言ったスタイルになります。

 文化系は、団体スポーツ系と似ているものの、対戦相手を意識するよりは、自己のできばえや完成度を追求する形を専らとなります。自分たちの完成度を高めることや質を高めることでかっか的に他のチームよりも優れた作品を作り上げるという形になります。事業所であれば、事業所の質や技術を磨き上げることで、他の優れた事業所よりもさらに優れた事業所として完成度を高めていくことで差別化を図るというものです。

 以上のようなサークルの流れを参考にしながら、事業主は、個々の従業員の特性を生かしつつ、部署事に団体スポーツ系の活動戦略を提案するか、文化系あるいは個人スポーツ系を参考にした活動戦略を提案するかを選択し、先ずはトップダウンを図り、そのフィードバックという形でボトムアップを聞き取り、検討した上で、○系をそのまま継続するか、変更するかをアセスメントして、新たな提案、あるいは、ボトムアップを推奨するかなどとしていくことで、それぞれの部署が忠誠心を集中させて、事業の展開、発展に寄与するエネルギーとなることとなります。

 抽象論も多かったかと思いますが、事業の展開において、人材の効率性を図る事は、とても大切なことと思いますが、このような考えで、事業主が考えて取り組むと、一人の人が2人分にも3人分にもなるような力を発揮することでしょう。