さて、先日の記事では、標準治療についての恩恵について触れさせていただきましたが、この標準治療のために、現在も含め過去から、医学研究が行われ、統計学的研究を踏まえた上で、確実な治療方法の確立のために、歩んできているものと言えます。
最近のお話で言えば、新型コロナウィルス感染症に対する治療は、まず標準治療が存在しないところから始まり、混乱の中で、対症療法という根本的な治療ではないところから始まり、研究データや患者データなどをかき集めて、この3年ほどの間に、ほぼどこの病院においても新型コロナ感染症に対する治療の方向性が同じ流れをたどるようになりました。
標準治療の素晴らしさについては、ある程度説明が終わったところで、この標準治療は、保険診療の軸となっているのは先日の記事の通りですが、この標準治療の保険診療上の取り扱いは、2000年頃から様々な面での拡大が行われているのが最近の入院治療の変化につながってきています。
超高齢化社会を迎え、今までのような労働人口の割に高齢者の割合が少ない時代から、労働人口の割に高齢者の割合がどんどん増えてきている時代へと変化し、医療費の相対的な増大、また医療単価の増大などが国家予算を逼迫していることで、治療のパターンだけにとどまらない部分での効率化というものが図られるようになってきました。
これが現在の医療の中で導入されたDPCシステムです。これは、入院の時に診断された病気により、入院費用が最初から決まっているというもので、さらに言えば、入院期間についても基準というのが定められています。
そのため、その枠内で治療を行ってもらうようにしているため、この枠から外れた治療を行うと、病院側に負担がかかるというものです。病院側としては、収益は疾患で定まるため、計算をしやすくなりますが、その治療に対して効率が悪かったり、余分なことをしたりしていると、収益上油断すると赤字になるというものです。さらに言えば、入院期間についても、標準的な期間を超えると、その1日あたりの単価を下げられてしまうため、長期入院は減収となるという流れになります。
ただし、効率性をあげれば、コストがかからなくても決まった収益が得られるため、黒字度合いが高まることとなり、入院期間を縮めれば、高収入を維持でき、新しい患者をどんどん迎え入れるほど収益性が上がるというものです。
最近の特に救急病院などの総合病院で入院した経験がある方は気付かれたかもしれませんが、昔の病院に比べれば、とても忙しく入退院が目につき、さらに、十分回復をしていないのに退院の話題が出たりと…
現在の入院治療などの流れがいい方向なのか悪い方向なのか、そこは議論しないとしても、何か、今までの病院の動きとは異なる動きが見え隠れしている感覚には、みなさんなっているのではないでしょうか?
次には、この結果として…ごまウシとして思うところを語ってみたいと思います。