アンチエイジングとエビデンス
ウシの業界では、医薬品としてその物質にエビデンスを示すためには相当に苦労を要することは、よく知られたお話です。医薬品開発において、製薬メーカーからすると、本社ビルを建築するくらいの大きな投資となるのです。
さて、最近では、アンチエイジングとして○○がよいと言われて、サプリとして販売されているものも多く見かけます。さて、このあたりについてのエビデンスはいかがなものでしょうか?
○○大学教授△△が有効性を認めた、Aと言う物質。
この表現にエビデンスはあるのか…と言えば、全くありません。エビデンスというのは、誰が見ても明瞭な根拠のことを言っているので、著名人がその効果を認めたと言ってもまともなエビデンスとは言えない事になります。
このエビデンスに似たようなお話として、
臨床経験というデータに基づいて、この治療が有効であるという風に○○が言っている
というのは、一応臨床経験上のデータが添えられていることを前提にして、エビデンスとしてはかろうじて認める事は出来ますが、一番有用性の低いエビデンスになります。
医薬品として販売してよいと言われるエビデンスは
その物質と薬効を認めない物質とを人体に投与したときに、結果に有意な差が出ることと言うところから示されるのですが、その差を確認するために、二重盲検というテスト方法を用います。薬Aと偽物Bとを別々の人体への投与を行うわけですが、それが、どのように割り当てられるかをそもそも分からないようにして、検査をする一もどれが本物か偽物か分からない状態で検査をして、最終結果がどうなのかというのを確認するものです。これで差が出て初めて有効・無効を確認出来ることとなります。
さて、最近よく言われているアンチエイジングに関するサプリはいかがでしょうか?
よく言われるのは、理論的には有効と考えられる…と言うものです。
しかし、これを二重盲検で証明するためには、バイアスが入り込んではいけないところもあります。バイアスは、日常生活に食べている食事に差があってはいけないことになります。サプリメントは、普段の食事の中にも含まれている物質が多く、そのような物質を日常生活の食事で摂取してしまっていたら、二重盲検の意味がなくなります。
実際被検者に対して、みな同じ食事を何ヶ月も続けさせることは、倫理的に許されず、実際の所、証明のすべがないという事になります。
以上のことから結論を申し上げると
○○先生が、効果があると主張しているサプリメントは、有効である
と言う表現は…
○○先生が、理論的には効果があるんじゃない?って思っているサプリメントは、もしかしたら有効かもしれない。
と言うくらいに表現を置き換えるのが適切…と言うことになります。
