ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。インスタグラムも始めてみました。https://www.instagram.com/goma.ushi/

医食同源

 昨日の記事では、薬草園のお話をしました。もちろん主は就労支援の見学が目的でしたが、薬草園がこの施設の根本ですので、せっかくですので薬のお話をしていきたいと思います。

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 現在世の中には、薬と言われるものは、それこそ医薬部外品なども含めれば、天文学的な数に及びます。これらの薬剤には、莫大な予算を注いで開発された歴史があり、一つ一つの薬剤のロマンが存在します。

 最新の薬剤については、分子構造式と生物活性などへの相互作用など、生化学的な視点で研究室で様々な化学反応を駆使して合成された物質の薬理作用を探り、創薬に繋げていくことが多くなり、その技術により、副作用を限りなく減らし、主作用を最大級に発揮できるようなピンポイントな薬剤が増えつつあります。

 とは言え、未知の物質ですので、実際に治験を行うと予期せぬ副作用が確認されたりと、理論計算通りには行かないという現実があり、実際に市場に登場する前に姿を消してしまう物質はさらに星の数ほど存在したりします。

 

 しかし、創薬については土台に立ち返ると、自然の中で生み出される物質を食したりする中で生じたトラブルや効果の経験から、身体にどのような影響を与えるものかという事を理解し積み重ねていく中で、食材を厳選し、そして、色々な調理方法で濃縮し、生成していった結果として、薬というものが生まれてきたと言えます。

 その流れがわかりやすく存在をしているのが漢方薬でしょう。漢方薬は、未だに生薬を畑などで栽培し、それを生成してそして、適切なバランスで配合することで、漢方薬として生まれてきます。

 そのため、漢方薬の生薬の中には、いわゆる食材として存在しているものもあったりします。もちろん漢方薬として使用する場合は、食材とは異なり、均一なものでないといけないため、特殊な条件下での栽培を行っていると伺ったことがあります。

 

 生薬の中には、先述の通り、食材とつながるものが存在しているのは確かですが、その具体例を挙げると、なるほどと感じることがあるでしょう。例えば、生姜…漢方の世界ではショウキョウと読み上げていますが、いわゆるショウガですよね。

 その他にも、桂枝という生薬がありますが、これはいわゆるシナモンであったりします。

 

 このように食材と医薬品とが根源的に一緒であることが多く、そういう意味では、タイトルにあるような医食同源と言われる概念が生まれてきます。

 医食同源の意味合いがわかりやすいこととしては、漢方薬の飲み心地があります。漢方薬は身体が求めている場合にはとても飲みやすく内服できるのですが、求めていないときには受け付けられないことがあります。そして飲み過ぎると、やはり受け付けにくくなってきます。

 普段の食生活の中でもあると思います。「今日はうどんだ!」と思ったときに食べたうどんのおいしさの一方、食べ放題で焼き肉を大量に食べた最後のおいしいはずのお肉で胸焼けをしたりと行ったような感じで、食事においてもほどよい量というものを身体が欲しているかどうかと言うのが分かったりします。

 漢方薬は、直接味わう医薬品でもあるため、とてもその点がわかりやすいですね。

 

 その点が難しいのが最近の西洋薬ですね。錠剤であったりカプセルであったりした場合、飲み心地が全く分かりません。時には身体が受け付けない感覚が合ったとしても分からないのが、西洋薬です。

 漢方の場合は、案外主観的な感覚で、飲むべき時と飲まざるべき時の感覚が分かりますが、西洋薬は、そういう点では、専門科である意思や薬剤師の指示に基づき服薬することが必要になります。

 

 医食同源、欲するものを食し、拒むものは無理をしない、この生活スタイルが重要ですね。