ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。

せん妄と認知症の鑑別

 このテーマは実は結構難しかったりします。先ずは、それぞれの意味合いについて触れてみたいと思います(おおざっぱですよ)

 

 先ずは、せん妄について…

 せん妄とは、ある種の意識障害と言われているもので、寝ているのと起きているのとの間のような状態と解釈したり、寝ぼけている状態と解釈したりすることが出来ると思います。

 そのため、意識障害が改善すれば、目が覚めてはっきりするようになり、場外がよくなるというものです。

 

 次に認知症について…

 認知症は、神経の変性に関連した、機能障害のため、意識は生命であっても、行動が障害されてしまっているものとなります。そのため、はっきりしていても、症状が出てしまうと言うものです。一部の認知症を除けば、基本的には良かったり悪かったりといった変動は小さいの基本です。

 

 おおざっぱにまとめると、寝ぼけている感じだったりはっきりしている感じだったり変化があるのはせん妄と言え、1日通して安定しておかしいのは認知症といった感じになると言えます。

 これだけなら鑑別は簡単のように思えますよね。

 

 ところが…

 この変化について、矛盾することが発生する場合は鑑別がとても難しくなることがあります。

 先ずはせん妄について、発生する原因を掘り下げていくと、矛盾が発生する状況が起こりうることが分かってきます。せん妄は、意識障害の一つですので、意識障害を起こす原因が発生するとせん妄になるというものです。高齢者の方の場合、暗さだけで意識障害を発生させたりすることもあり、純粋に眠気でも発生したりするので、黄昏時にせん妄になる、黄昏症候群や夜間せん妄といった名称になるせん妄があります。

 一方で、体調が悪い場合でもせん妄になるのですが、重篤な肺炎などに罹患すると改善するまでせん妄状態になってしまうことがあります。この場合は、よくなったり、悪くなった李があまり目立たず、ずっと悪いままになってしまうこととなるため、認知症と区別がつかなくなることがあります。

 

 また、認知症の中にも変動するのが目立つような認知症があり、代表格として、レビー小体型認知症というものがあります。この認知症は、診断基準そのものに、変動する認知機能障害とあり、日や時間帯によっていい悪いが存在することが分かっています。そのため、一見するとせん妄じゃないかと思えるほどの変化が発生することがあります。

 

 このように、せん妄と認知症は、全く違う機序のものですが、症状が一緒のために鑑別を要することがあり、間違えてしまうことがあります。

 特にせん妄については、原因があって発生するため、原因が追及される前にせん妄症状が前面に出ることがあるため、せん妄を確認したら、体調など重篤な疾患がないか調べることが必須となることがあり、見逃すと、せん妄から本物の意識障害に発展し、致死的な身体状況になる場合もあります。

 

 せん妄と認知症、簡単なようで難しい鑑別は、ぜひ専門家が行うべきでしょう。