5月に入り、実は、宇宙に関連して、とても大きな発表がありました。その前段階としての報告の時には、多くの通常のニュースでも報道されましたが、今回は、2段目ということもあり、ニュースで報道されているのはさほど目立たなかったような気がしますが、天文が好きな人はみなさんご存じになった出来事です。
この写真はあくまでシミュレーションに過ぎないわけですが、私たちがいるこの天の川銀河の中心に君臨しているブラックホールであるいて座A*といわれる星の写真を収めることができたという報道です。
このシミュレーションでは、ブラックホールの周りに物質が円盤状に回り込み、ぶらっコールの中に入り込んだ物質の一部が猛烈な勢いで上下に噴出している様を描写し、さらに強い重力のため、巨大な星々が周囲を猛スピードで動いているところを表しています。
実際に写真として納められたものは、ブラックホールそのものではなく、その周囲を回る高温となり、光を放っている物質が写っているため、ドーナツ状に抜けた写真となっています。
ブラックホールそのもののについては、重力が強すぎて、光すら吸い込んでしまうため、外に光を放てなくなっているので、実際光っているかどうかはわかりません。ただ、周囲でぐるぐる回っている物質は、あまりの高速回転のため、摩擦熱などで高熱化してくるといわれています。熱を持つと光を放ち始めるため、ドーナツ状になるというものです。
天の川銀河の中心という決して人が近寄れる場所でないとてつもない遠方であり、実際にこんなシミュレーションのように目撃できるわけではありませんが、人間の創造というのはすさまじいものですね。
これから夏の天の川を見かける機会もあると思いますが、あの川自体は、巨大な星たちの集まりであるのとともに、このブラックホールがその帯を集めているんだと知ると、壮大な星のドラマを人間のスケールを超越して感じることができるでしょう。