ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。

コンサルテーション

 先日、私としては、初めてとなりますが、研修医へのレクチャーを行ってきました。総合病院の多くで、精神科は、入院患者を受け持つことがないため、まさに、黒子(くろこ)としての役割を演じているわけですが、研修医の指導においても、同じで、直接指導を行うことがありませんでした。

 しかしながら、向精神薬の使い方などに多くの問題があるとして、研修医の指導の責任者にお話をしたところ、今回ようやくその機会を得ることができました。

 そこで、研修医のレクチャーを行うにあたって、日ごろ感じていることを研修医にぶつけることとしました。

 結果的に私の行ったレクチャーの内容は以下のような感じになりました。

 

向精神薬の適正使用について

・自信のない事柄について、専門医へのコンサルテーションを行うこと

 

 大半の時間を向精神薬の適正使用ではなく、実は専門医へのコンサルテーションに割きました。実際のところ、コンサルテーションが、最近とても下手なドクターが増えているように感じるところがあったからです。

 

 以前は、研修医制度というのが形としてなかったため、最初から専門医を目指して偏りのあるシステムとなっていました。そのこともあり、専門外のことについては、できないと割り切り、放り投げるような勢いでコンサルテーションを行い、できない部分について補充を行うような形で、患者の治療について、それぞれの専門医が分担して行っていました。

 最近は、研修プログラムがきちんと出来上がったことにより、それぞれの診療科を一通り、巡回して、国家試験の知識に加えて、実地を行うことになったため、広く全般的な診療技術を身に着ける結果となりました。もちろん、専門医からすれば、表面的な部分でしかないのは確かなのですが、一通り、目を通すような形ができるようになっているため、おおざっぱなところでいえば、全般的に見ることができることになります。

 とても良いことなのですが、一方で、専門医へのコンサルテーションができなくなり、抱え込んで自分一人で解決しようとする動きが目立つようになってきているようです。

 黒子(くろこ)という立場で診療していると、コンサルテーションがあってのことなので、このコンサルテーションが上手にできないドクターが若い年代層に増えつつあることは痛感できるものがあります。

 

 ドクターの多くは、常に自分を鍛えている人が多いこともありますが、プライドを非常に高めてしまうことも多く、結果的には、自分で抱えて、他のドクターに相談できなくなってしまうことがあります。相談が苦手なドクターは、自分の苦手を補うために、必至になり、書籍などを通して学び続けます。それはそれでとても素晴らしいことですが、実地ができるわけではありません。そのため、他の専門医に相談を投げたほうが、医療制度が高まることも多く、様々な人の目を通して、見逃しも減らせるものです。

 

 このコンサルテーションが、上手にできないドクターが増えているというのが、私が心配していることでもあるのですが、相談したほうがよほど、患者の安全を担保しながら自分が楽をすることができるという、ちょっとせこいかもしれないのですが、結果的に、安全を担保できるという素晴らし技術です。

 

 チームワークを通して、取り組むことが、重要となり、隙間のない安全性を担保できるものと考えられます。一人で抱えるよりは、みんなで悩みながら向き合うことの大切さがあると考えられます。

 このことを一生懸命語ったレクチャーでした…なんだろう。なんのレクチャーなのか…精神科ではなく、コンサルテーション一般のお話…ですね。