先日、産業医に向けた講演会があり、精神科医としてのコメントをするという事で登壇をさせていただくことがありました。
事前の打ち合わせで、コメントにスライドは使わず、投げかけられた質問に対してコメントをするという形で30分ほどの時間を頂くこととなっていたのですが、スライドなどの準備はいらないにしても、30分間かけてお話をメカニカルに行うために、それなりの原稿というものを作成していました。おおざっぱな私でも、一応原稿らしいものを作ります。特に定番となっている繰り返しの講演内容とは異なる事柄については、きちんと準備をしておかないと、途中で何かトラブルでも発生すれば、途端に真っ白になって、だいぶ迷惑をかけてしまうこととなるので、その点は用心しています。講演会においては、どんな形であれ、原稿は必須です。
ちなみに私は、コロナ渦においてだいぶ少なくなってしまいましたが、年に最低10回くらいは講演という形でお話をしています。数的には、プロと言うよりは、セミプロレベルにはなっているとは思います。プロの方は、年間100件を超えるくらいの講演をこなしていらっしゃると思いますので、その点では足元にも寄らない程度の講演回数ですが、まあまあ、お話をしています。
今回の講演会は、おそらく、これから先もお話しする機会はないだろうと思われる珍しいタイプのテーマであったため、きちんと事前打ち合わせのあとに、しっかりと原稿をこしらえて、何度か、予行演習のようなものを行っておりました。
ところが…とんでもないミスをしてしまったのです。
当日、原稿を持ってくるのを忘れてしまったのです。私としたことが…几帳面に前日自宅でチェック入れたことが逆に失敗につながってしまいました。
さて、講演会が始まりました。参加者は久しぶりに100人前後。
産業医の中には、大物のドクターがいらっしゃいます。緊張が走ってきました。
原稿を忘れたという事もあり、さらに緊張が走り…まずい…冷静におはなしできないかもしれない…。ドキドキ
さて、時間が来ました。
コメントという事なので、ガチガチの講演ではありませんが…。
何度もシュミレーションを重ねてきたのですが…。
結果的には、座長や司会者などには悟られなかったのですが、語るべき内容の半分も語れなかったような結果となりました。
久しぶりの大がかりな失敗となりましたが、周りに悟られなかっただけにホッとしましたが、紙一重ですね。
とにもかくにも、油断は失敗につながりますので、慣れた講演でも、やはり原稿は、複数コピーして持ち歩くくらいの慎重さが必要だと感じた講演会でした。