日常的に論文を読む機会があると、この言葉はある種の常識的な言葉になりますが、日常生活を送る中では遭遇しない言葉でしょう。
メタ解析とは、あるデータを解析しようとしたときに、注目している内容に関連した論文をたくさん集めてきて、それぞれの論文に載せられているデータを照合して、全てを総括して分析をしたものをメタ解析と言います。
メタ解析のいいところは、それぞれの論文が個々に注目すると偏見が存在したり、スポンサーなどの企業の影響を受けていたりすることがあるのですが、それらの論文を集めて集積していくと、これらの偏見やスポンサーの影響がどんどん小さくなり、総括的な分析を行うことで、偏りのない結果が提示できるというものです。
メタ解析の大変さは、とにかく、大量の論文を読み込まなければならないという事です。10本程度の論文を総括するのでは、充分に偏見やバイアスの影響を除外することは出来ず、100もしくは、それ以上の大量の類似した論文を読み込んでいかなければ、メタ解析は出来ません。
最近目にした論文には、メタ解析にAIを用いて、5000本を超える論文を解析して、結果を提示していたものを見つけました。
確かに、現在は、論文も雑誌という書籍の形で登場することはもちろんですが、ほぼ100%に近い形で、pdf形式のファイルという形でダウンロードが出来、iPadなどに転送して読むことが出来るようになっています。pdfとなっているという事は、検索で論文内の単語を拾うことも出来ますが、さらに言えば、AIに論文を読ませてしまうことが出来たりします。
この論文のようにAIを用いてメタ解析を行うというものがこれからどんどん増えてくると考えられますが、やはり、AIは得意分野である、大量のデータを省くことなく吸収して、解析を行うということが、新しい知見につながるということに、時代は動きつつあるんだなと言う感想につながりました。
しかし、AIは論文を全てを熟読し、解析することは出来ますが、大切なこととして、論文1本1本は、全て、ひとの力によって編纂されたものです。コンピュータに全て乗っ取られてしまう恐怖をAIには感じてしまう部分もありますが、しかし、情報元はやはりひとの力でなければ用意できないという現実があります。人とコンピュータの知識の住み分けというのは、これからの時代の流れなんだろうな…とつくづく感じるひとときでした。