ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。インスタグラムも始めてみました。https://www.instagram.com/goma.ushi/

物流システムの安定

 日常的に私は、Amazonの通販の利用は多いのですが、配達のスピードの速さはもちろん今までも驚くほどで感心していましたが、配送の時間については、運転手さんの回り方などで何時間もずれることは日常的なもので、配達予定時間もそれに合わせて数時間の幅で定められていることは当たり前となっていますよね。

 これは、イレギュラーな配達物に対する物流システムの当然ながらのブレであって、本来の実力である正確さはどれくらいのものでしょうか…と言うことは、自宅にいては分からないものです。毎日定期的に配達されるものとして新聞がありますが、新聞でも簡単に1時間以上のブレは生じるもので、出勤の時に新聞受けから新聞を持って出勤できていた時もありましたが、最近では結果的に帰ったときに用務と言ったように届く時間のブレのため、通勤時に読めないことも多かったりします。

 通常の定期的な配送を行う物流システムの時間的正確さについては、店舗営業をされている方なら既にご存じかと思いますが、私からするととても新鮮に感じるものでしたが、その新鮮ながらも驚くほどの正確さについては、最近ようやく発見することができました。

 私が通勤の時に利用している駅にはコンビニエンスストアがあり、ホームからコンビニの駐車場を電車が来るまでぼんやりと眺めることができます。毎日だいたい電車が到着する10分弱前にホームに立ち、ぼんやりして、ほぼ秒単位で定刻に現れる電車に乗り、通勤をしています。

 毎日何気なく駐車場を見ていると、毎日必ず同じがらのトラックがコンビニエンスに現れ、複数の商品を収納したコンテナかごを店内に持ち込み、店裏に置いてある、空のコンテナカゴを積んで出発するという作業をして立ち去っていきます。この作業を毎日確実に全行程を見ることができます。当たり前の光景でぼんやりと眺めているわけですが、私が自宅を出る時間は、テレビの時計で決まった時間で自宅を出て数分の徒歩時間を経て駅に到着しているため、おそらく誤差は信号機1回分程度、電車は秒単位で正確ですので、全行程を見守ることができることを考えると、作業全体の時間を加味すると、なんと、毎日トラックで確実に数分程度の誤差の範囲で配送ができているという事になります。

 ぼんやり見ていたので今まで気づかなかったのですが、鉄道ではなくて、通常のトラック物流の正確さがここまで正確なものであることは、考えてみれば、驚異的なものであることに気づきました。このとてつもなく正確な物流システムが、このコンビニエンスに限らずすべてのコンビニエンスに行き渡っているのが現状でしょうし、さらに言えば、スーパーやショッピングモール、それぞれの小売店への商品物流についても、定期便であれば、きっとこのくらいの正確さを確保されているのであろうと推測もできます。もちろん早朝と日中とでは交通事情の影響をかなり受けるのでしょうけど、バスの運行並みの正確さを確保していることは確かと考えられます。

 分単位で正確に物流が動き、きめ細やかなネットワークによりすべての商店に正確に物品が運ばれていくのが現代の物流システムであるという事の一部を垣間見ることができたと感じました。

 先日、国際学会のジャーナルが郵送されてくるのに月単位のブレが発生していることを書きましたが、あくまでこのジャーナルの配送については定期便です。一時期Lancetの販売元と、〒事情についての説明を受けながら、「日本の郵便事情の問題があるから届かない」と言った旨の返答をいただいたことがあり、苦情を返したことがありましたが、まさに現在の日本の物流システムを考えれば、この苦情は極めて常識的なものであったと思います。

 日本国内において、隅々まで確実にものが行き渡っているのは、多くの物流会社が、しのぎを削り、正確で確実な物流システムを構築していることによるものと考えて良いと言えます。

 昨今では、物流システムの中には、UberEatsといった簡便な物流システムも登場しつつあるものの、元来から組織的にできあがっている物流システムの正確さにはやはり勝てないのだろうと思われます。これから先、無人のドローンなどを用いた配送システムが正解的に広がり、人間の力で構築された正確な物流システムに置き換わる可能性はありますが、果たして、ロボットなどを用いたとしても現在の日本の緻密な物流システムは構築できるでしょうか…。

 もちろん、この正確な物流の中には、コンビニエンスの店員さんが配達員さんを向かい入れたり送り出したりするときに、笑顔の会話を交わしているように、人間らしい温もりも一緒に伴っていることが実際には存在しているという事も知っておく必要があることでしょう。

 物流とは縁のない私としては、とても感動的、感心する出来事でした。