ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。

要注意の探し物

 探し物は、誰でも経験はあるはずです。しかし、この探し物が増えること自体が認知症の初期症状として注目されているものでもあるため、ありふれた出来事であっても、私たちは注意深く精査することをしていたりします。探し物はものをなくすことでもありますが、なくしてしまったものを探すと、どんなに頑張っても見つけられないときも残念ながらあるでしょう。しかし、その頻度は、多くはないでしょうけど、やはり誰でもあります。ものをなくす、探し物について、考察を深めてみたいと思います。

 一般的に探し物やものをなくしたりする事が発生する原因としては、以下のようなことが考えられるでしょうか…。

 

1.いつもと違うところに片付けてしまった。

2.他ごとを考えたりしながら片付けをしてしまった。

3.片付けてから、かなりの時間が経過した。

4.片付けた場所が煩雑であったり、その後その場所の状況(模様替え等)が変わった。

 

 こんな時になくしたり、探し物とつながったりするのではないでしょうか。この4つの条件以外のものもあるかもしれませんが、共通している点としては、片付けた場所の記憶を曖昧にする条件があることと、いつもじゃない状況が発生していることと言うことにつながることとなるでしょう。

 この探し物やなくし物が増えるという事は、上記のような記憶の曖昧さやいつもじゃない状況が増えたという事になります。探し物が増えたときに、このような状況が起こっているかどうかについて注意していく必要があります。

 一般的には、引っ越しなどの環境の変化が発生しつつあるときや、仕事などがとても多忙で、ゆとりがないとき、さらには、気分的に落ち着いていないとき、体調がとても悪いときなどが考えられます。物理的な条件で探し物が増えたりしているときはみなさん納得できるでしょうけど、特に体調面やメンタル面での問題を抱えているときにも探し物が増えてくるとなかなか現実受容ができないことが出てきます。

 体調面であれば、インフルエンザなどの高熱に冒されているときには、探し物が発生しやすい状況となります。体調が悪いときは、意識状態としてもぼわーんとなっているため、忘れやすくなっています。さらにメンタル面では、例えばうつ状態など、憂鬱な心境にある場合には、物事に対する注意力が低下し、忘れやすくなります。

 しかし、これらの状況がないにもかかわらず、探し物やなくし物が増えた場合には、他の原因を考えて行く必要があります。そこで登場するのが認知症の疑いという事となります。

 認知症の代表的症状としては、いわゆるもの忘れというものがあります。もの忘れは、当然片付けた事実を忘れてしまうこととなりますので、当然探し物が増えてきます。さらに細かな話しをするともの忘れにもタイプが2種類あり、思い出せないもの忘れと、覚えられないもの忘れとがあります。思い出せないもの忘れの場合は、自分で片付けたりしたことは覚えているのだけど、どこに片付けたのかが思い出せないというものです。一方で、覚えられない場合だと、片付けた事実すら記憶されていないことが多いため、誰かによって移動されたといういわゆるものとられ妄想のようなものが発生します。

 また、認知機能障害の中には、今まで身に付けていた系統的なものを整理整頓する事が障害されてしまうと、想定外の場所に片付けをしてしまうことがあります。この場合には、例えば、財布などが、本来ならばタンスの引き出しなど決まった場所に片付けるはずなのが、冷凍庫の中から見つかったりと言った想定外の場所に片付けをしてしまう現象が発生します。

 これらが合わさると、片付けた事実が思い出せない、覚えられないことがさらに片付け肩が壊れてしまった場合には、家族が一緒に探し物をしても見つけられなくなってしまうことがあります。

 

 以上まとめますと、なくし物や探し物は、片付けをしているときの記憶が何らかの理由で曖昧であったり、片付ける場所がいつもと違う場所だったりした場合などで発生し、それが、普段特別変化のないときに発生するようになった場合には、記憶の障害や片付け方の技術の障害等が発生しているとして認知症の症状を疑うこととなります。

 探し物やなくシモについては、どのようななく仕方探し方をしているかに注意しましょう。もし、理由が見いだせない探し物やなくし物の増加があれば、専門医の相談をお勧めしたいと思います。