可児市と多治見市を巡った、神社巡りの最終的な移動距離はこんな感じになりました。
さすがに25.8kmの移動は、最近始めたばかりの趣味としては、ハードすぎたかもしれませんが、なんとか、無事に今に至っております。
この移動距離くらいになると、中山道の宿場町を一つ飛ばすことができてしまうほどの距離になるわけですが、体を無理をしてでも移動をすることは、軍隊などでは良くあることで、このような軍人が歩きすぎて生じる様々な疾患を行軍病と言います。
現在は、スニーカーの性能も極めて良くなっているため、疲れにくくなり、さらには、地面からの直達力による足底部の損傷などもまれなものとなっているため、おそらく、25km歩いたところで行軍病になることはないでしょうが、行軍病は、足のけがばかりではなく、無理な行軍によって生じる病気も含まれるため、いわゆる熱中症もその一つになります。
私の今回のルートのプランでは、さすがに給水施設である自販機の設置に肩よりがあったため、脱水に近い状態に落ちいてしまった経験があり、いわゆる行軍病になりかけたと言っても過言ではありません。
この行軍病は、実は、医師国家試験にも登場する病気です。いや、でした…と過去形になるかもしれませんが、私たちが国家試験を受けていた約20年前では行軍病は、登場する可能性のある疾患でした。
行軍病の中で、もっとも、医学生に注目されていたのは、足底部の長時間の圧迫によって生じた足底を流れる血液の破壊と組織の破壊に関連した疾患を指していました。
血液も細胞も基本的には、似たものと考えられるところがあるのですが、血液中のミネラルのバランスと細胞内のミネラルのバランスがとても大きく違うことが特徴としてあります。血液中には、カリウムというミネラルは、とても少なく、微量といった方が適当な量になりますが、実は、細胞の中は、大量に濃縮されていることが有名です。これは、ナトリウムというミネラルとカリウムというミネラレルを取り替えながら、細胞内にカリウムを主に取り込み、ナトリウムを主に細胞の外に出すというシステムが存在するため、細胞の外は、ナトリウムであふれ、逆に細胞の中は、カリウムであふれるというバランスができています。
そこで、足の底を流れる血液が長時間の歩行により、破壊され続けると、血液中に細胞内の液体があふれ出すこととなり、カリウムの血液中の濃度が上昇し、不整脈などの以上を発生されることが起こりうるとされています。この不整脈は突然死につながるような致死的不整脈を発生させるもののため、極めて危険なものです。
行軍病は、あくまで足底の損傷に限定されていることも多いため、まれと言えばまれなのですが、広範な細胞が壊れてしまう現象として、地震などでビルが倒壊したときに、重たいものに長時間足をはさまれてしまったりする現象で発生することがあります。
レスキュー隊が、長時間足を潰していたコンクリートの塊などを取り除くとともに、潰された足で、壊れた細胞からあふれたカリウムが大量に心臓に届けられ、レスキューととに突然死してしまう現象が、起こることがあります。これは、実は阪神大震災ではよく発生したため、その後レスキュー隊は、挫滅が生じた足がコンクリートを取り除いたりして解放されたときに大量のカリウムが流れたりしないように、潰された部位より情報で縛って血液が戻らないように対処して、病院まで搬送するように対応を変えたというのは、学生時代に学んだことでした。
歩くことは健康に良いことではありますが、歩きすぎにはくれぐれも気をつけていく必要はやはりあるでしょう。ウォーキング、ハイキングのスケジュールはゆとりを持って考えましょう。ある着慣れてきたからと言っても、7kmと言ったキロ単位の距離をなめてかからないようにしましょう。