ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。

オンライン診療の可能性

 大阪における緊急事態宣言とともに医療崩壊については、日々マスコミでの報道を賑わっていますが、その中で、コロナ感染症で具体的な症状が伴っている方に対してオンライン診療についてのことが時々報道されるようになりました。

 オンライン診療については、コロナをきっかけにと言うわけではないのですが、コロナ感染症の結果として、急速にニーズが高まったと言えます。振り返ると、昨年の4月には非常事態宣言が出され、新型コロナに対して、未知の恐怖にさらされ、外来診療も対面を避け、外来で待合の時に提供している内線電話を活用して、内線電話を通じて診療を行い、投薬を行ったことがありました。また、多くの発熱者外来については、現場で対応するスタッフを最小限とするため、問診については、タブレットなどを用いたオンライン端末を活用し、検査の時だけ接触しに行くといった形もありました。

 オンライン診療については、診療科ごとに特徴があるため、向き不向きはあると思います。私ができそうな診療としては、おおざっぱな内科診療と精神科診療、そして今専門にしている認知症診療という事になります。内科診療については、患者さん側に、かなりの協力が必要であったり、患者さん側に様々な器具をつけてもらったりする必要性が出てきたりしそうな感じがしますが、普段の変化があるかないかについてのチェックについては可能なように思われます(普段通院している方は分かると思いますが、採血検査もなく、医師は「調子はいかがですか?」患者さん側は「特に変わりはありません」と答えて、最終的に、「じゃあ、いつものを出しておきますね」というシンプルな診療で終わるいわゆる3分診療)。ところが、おなかが痛い、気持ち悪い、胸が苦しい…などと言った症状については、聴診や触診などが必要となるため、オンライン診療は不可能と思われます。内科診療はその点では、オンライン診療に向いている普段の継続診療と、急性期疾患や体調に関する評価についてはオンライン診療に向いていない部分があるように考えられます。

 一方精神科についてはどうでしょうか?精神科については、考えようによっては、ほとんどの部分をオンライン診療に繋げてしまうことが可能かもしれません。普段の精神療法(臨床心理士によるカウンセリングも含む)もオンラインで可能ではないかと考えられます(オンラインの精神療法については多くの文献が海外では投稿されています)。ただ、100%オンライン診療が可能かと言えば、さすがにそうもいえません。精神科の薬物療法が発生した場合には、体調に変調を来す可能性が否定できなくなるため、採血検査、心電図検査場合によっては胸部レントゲンなどを実施した方が良い場合もあります。また、精神科もいわゆる「脳みそに対する診療」ですので意見はいろいろとありますが、頭部CT写真程度はデータとして持っておく必要があると考えられます。これからの検査はオンラインでは限界があると言えます。

 認知症診療についてはどうでしょうか?現在私のほうで取り組んでいるシニア外来においては、オンライン診療については、かなりの部分が現実的には可能なように思われます。ただ、絶対にできないのが初診時の対応です。認知症なのかどうなのかということや認知症以外に考えられる疾患があるかどうかなどは、画像検査から生理検査、血液検査などが含まれています。さらには、体の動きなどもチェック入れることがありますので、対面診察は、必須という事になります。しかし、初診のところで一通りデータをそろえてしまうと、その後は、ほぼオンライン診療で可能なように考えられます。投薬があれば、精神科診療と同じで、時々の画像や生理検査、血液検査を提案しますが、それ以外はオンラインで充分でしょう。ただし、シニア外来は、診察以外にデイケアリハビリテーションがほぼセットで提案していることとあるため、こちらのリハビリテーションはオンラインはほぼ不可能なモノとなります。

 

 結論としては、オンライン診療は、様々な壁は存在しますが、かなり現実的なモノとなってきています。鹿も、既存のフリーで活用できるオンライン会議システムの機能だけでも充分に可能な水準でもあると言えます。山岳地帯を抱える地域などは積極的なオンライン診療の導入が望ましいところでもあるかもしれません。感染症におけるオンライン診療だけでなく、日頃の生活指導などもオンライン化していくでしょう。私が行っている講演活動についても残念ながらオンライン化の兆しがあります(講演と称して地域の観光巡りをしたいという私のもくろみが崩れそうですが…)。

 もちろん、メリットだけではなくて、人間味がない、ぬくもりがないなどの恩ライならではの冷徹な雰囲気は避けられないところもあったり、目の前でのやりとりではない点での不自由さはあるかと思います。

 オンライン診療は、その長所を生かし、活用することで、対面診療の為の時間にじっくり注げられる用になれれば、それはそれでとてもプラスではないかと思う今日この頃でもあります。オンライン診療については、これからも、私なりの考えと、現場での動きについて、触れることがあるかと思います。

 

 

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