普段私が通勤で利用している電車は、JR高山線と名鉄です。JR高山線は、岐阜県を縦断し途中に温泉地の下呂や観光地である高山を経由して富山につながっている路線です。東海地方に在住でない方でも気づくかと思いますが、普段はとてもローカルなのどかな電車路線ですが、観光地を巡るにはステキな路線で、ゴールデンウィークになれば、特に特急電車は観光客で混雑するというのが例年の流れではあります。観光地とは言うものの、関東地方や関西地方からはかなり離れていることおあり、また、私は普段特急列車を利用することは通勤場はまずあり得ないこともあり、日常的にこの連休の時に電車が混んでいたという事を実感することはありません。しかし、今回のゴールデンウィークは、普通電車にも観光客の姿をちらほら見ることが増え、状況に変化を認めていることがなんとなく感じられました。
しかし、いろいろと見てみると、結果的には、多くの人が同じ考えの元で、動いているように見受けられました。最近のコロナ感染症により、報道関係から様々な情報が吹き込まれている現状があります。緊急事態宣言や、蔓延防止対策など、移動の制限を加えるような状況にあるという報道に加え、蜜を避ける、さらには、屋内のような空気の流れの悪いところでの長期滞在の制限などなど、これらをかいくぐるような動きをすれば、快適な環境で、お休みも満喫できるのであろう…という発想が芽生えてきます。
その結果として、特急列車は目立つ移動手段だから、ローカル電車を楽しむ。そして、普段からさほど混んでいないところだから、きっと飛騨地方はさほど混雑はしないだろう。ハイキングなどもできるだろうし、高山は街歩きだから外活動だ…。天気が良ければ、さらに外出に向いている等々と考えるところではあるのですが、結果的に、多くの方の考え方が一致してしまうのです。結果として、ローカル電車の観光客が溢れかえる…なんて言うことに。
さらに、名鉄に乗車していて感じたことも、みんな考え方は同じなんだなと思わせられるところがあります。名鉄の沿線には、遊園地なども存在しますが、そちらに向かうお客さんはさほど多くないように見受けられます(人が集まることを避けているのだろう)。しかし、一方で、市民公園などの一般的な講演に向けて出かける家族連れがとてもたくさんいることが分かりました。しかも公園の駐車場も電車の車窓から満車になっていることが分かりました。
すなわち、ゴールデンウィークだから、遊園地は混雑するだろう。だから、ローカルな広場のある市民公園みたいなところは、穴場スポットとして、快適に過ごせるだろう。ってみんなが考えたと言えます。結果的に遊園地はさほど人が向かわず、穴場とみんなが考えた市民公園が混雑するという…。
全国の報道でも考えることはみな同じだなと思わせられるように、キャンプ場や道の駅、海浜公園などまずは、屋外の地域で、道の駅など、本来ならば休憩であって滞在場所でもないところが混雑するなど、みんな知恵を絞って考えていることは分かるのですが、結果的に知恵のしぼった考え方そのものがみんな同じになってしまい、結果的に穴場が混雑するという、滑稽な現象が起こっているように見受けられます。
結論ですが、人間というのは心理的には共通な因子が多いようですので、みな、いろいろと考察を深めていくと同じような発想に流れてしまうようですね。案外、混雑するだろうと最初から思いがちなところが、このゴールデンウィークは意外と混雑していなかったりする場合も多かったりするのではないかと覆ったりします。みなが避けようとした結果として、混雑するはずだと思われているところは意外と混雑せず、ここは大丈夫だろうと思われたところが意外なほど混雑していたり…やはり、人類というのは、本能的にも蒸れてしまう傾向があるのかもしれませんね。