ごまウシの頭の体操

認知症、緩和ケアなどが私の仕事の専らですが、これらに限らず、私が得た知見を広く情報発信したいと思います。

人はそこまで自分に興味はない

 「自分のことを周りはどのように見ているだろう?」…これは多くの人がもつ気持ちで特に自分の責任で物事を多くの人の前で披露したりするときなどに感じることですが、それが多くの人の前に限らず、日常的なお仕事や生活の場面で意識してしまっていることがあります。これを、「過剰意識」という言葉で言われてしまいますが、一般的に言われている「自意識過剰」とはちょっと違いますよね。

 自意識過剰は自分の主張や権利を強く求めてしまう傾向のことを意味してしまい、どちらか言えば、「世の中は自分を中心に回っている」と行った気持ちの中から湧いているものと言えます。そのため、自分にとって都合の悪いことについては、周りがいけないとか、周りの解釈が間違っていると行ったような解釈を行う傾向にあり、それを周囲に強いる傾向が強く認められます。

 一方で過剰意識は、土台は、自分の振るまいが周りに批判や迷惑になるのではないかという不安から生じている、防衛反応で過敏化した完成のことを意味しており、そのような場合には、必ず、周りが自分のことを嫌悪感を持ってみていると言った感触から、自分が行動することにより周りは困ってしまうだろうといった解釈に至ったりすることが専らと考えられます。このような考え方をしてしまう場合は、行動がどうしても控えめになってしまい、とにかく、周りのボソボソとした会話が気になってしまうものです。「あの人は、もしかしたら、今私がした作業に対して嫌悪感を抱いたりしていないだろうか…。」と行った不安です。この不安が強まると、「上司は、私がやった作業のできの悪さにがっかりしているはずだ」などと確信するようになり、上司の方が、部下に対して、「○○をまとめておいてくれ」なんて指示を出しても、「できません」と言われたり、と多も不安そうな表情で指示を受けたりするようになります。

 自意識過剰と過剰意識との区別は、強気か弱気という点で区別がつきます。強気というのは、「自分が正しい」という自信から生じているもののため、意見が食い違ったりすれば、あからさまに、批判をしてきます。一方で、弱気であれば、何も言わなくても引っ込んでしまうし、求めてもいないのに謝罪してきたりします。ある意味、自意識過剰と過剰意識を誤解して向き合ってしまうと正反対の結果をもたらすこととなります。その点では注意してみる必要があるかと思います。

 

 さて、自意識過剰も過剰意識ももちろん、「過剰」という言葉がついているとおり、周囲のひとが自分のことに注目をしているという誤解をしていることは共通していると言えます。この誤解を解くことがこの方々に適切な周囲への気遣いや周囲に対する安心感などを勝ち取るための秘訣となると考えられます。

 まずは、「周りはそこまで自分に興味や関心がないこと」を理解してもらう必要があります。この場合は、反対の立場を見てみると、非常にわかりやすいと言えます。以下のような問いをすると答えは明快です。

「あなたは、どれくらい周りの人の行動を観察していますか?」

 例えば、過剰意識例として、「あの人は私に対して意地悪をしている」と主張する方に、「あの人」のことをどれくらい観察しているかという事を質問すると、実際は、ほとんど答えられないくらいしか観察できていなかったりします。ここで明確な矛盾が生じてきます。まともに観察もしていないのに、なぜ意地悪をしてきていると確信をしているのでしょう?もしかしたら、「あの人」はあなたのことをあまり考慮とか配慮することなく、思ったままの行動をしているだけではないでしょうか?その行動が、あなたの考えや価値観と大きく違っている場合、自分の考え方や方向性を妨害されたみたいな感覚に襲われる可能性があります。結論としては、「あの人」はあなたにそれほど興味、関心がなく、価値観の違いが、あなたの不快感につながっているだけに過ぎません」…と言うことになります。

 一方、「私はいつもへまばかりしているから、自分だけたくさん叱られてしまっています。」と嘆いている場合はどうでしょう。これは逆に、同じ仲間が上司にどれくらい叱られたり褒められたりしているかをどれくらい観察しているかを確認すれば明確でしょう。自分だけが叱られているという表現が現実的ではなく、他の方も叱られている姿を何気なく目にしていることに気づくはずです。そして、それに対して自分があまり気にしていないことにスルーしてしまっていることに気づくことになります。「自分だけが叱られているわけではない」という結論になるわけです。

 

 人はそこまで自分に興味がない

 

 自意識過剰の方はがっかりするでしょう。一方で過剰意識の方はホッとすることでしょう

 

 職場のメンタルヘルス相談を行っていると、周りの人が自分のことをどれほど注目しているのかが気になりすぎて、どちらにしても過剰になってしまっている方が多く見受けられます。対人トラブルになったり、業績不振に陥ったり、意外に業務に支障を来すこともあり、職場の空気がよどんでしまうこともあります。

 世の中、周りの人に気を配ることは大切ですが、それは、お互い、周りにさほど興味や関心を持てないために、生じてしまう誤解を避けるためにあると言うことを、日頃ご指導いただくと、過剰な周囲への意識が軽減し、いい意味での気遣いが反対に生まれてくるのではないでしょうか…。