本日は、コロナ禍における、人への心理的影響についての総括をします。コロナウィルスに限らず、これから先もさまざまな新しいウィルス感染症は発生する恐れがあります。見えない敵という脅威がどれほどのインパクトがあるかを考えつつ、まとめてみたいと思います。
5. 総括
ーーー顕微鏡レベルのウィルスが文明を振り回すーーー
以上、心理的影響に着目し、コロナウィルス感染症が及ぼす心理的影響を考えてきましたが、もちろん、既述の事柄だけにとどまらず、自営業の方、旅行業の方など、様々な事業所への影響、批判的な話題を出しましたが、国会議員や地方議員など公務員の方々も含め、相当な影響を受け、高度なストレス状態にあることは間違いありません。更には、先の見通しが見えないために、強い不安とともに、疲労感が出てきており、自暴自棄になる方、うつ状態になる方、上道不安定に落ちいてしまう方など島ざまな心理的な変化を生じていることは間違いないでしょう。
しかし、この影響を与えているものが、SFなどに登場する巨大な宇宙船に乗ってくる巨大な力を持った宇宙人などではありません。電子顕微鏡でしか見ることができない、微細な分子レベルに近い生物と物質の境界に位置する些細なものによってもたらされた影響です。電子顕微鏡レベルのものが、現代社会に著しいインパクトを与え、歴史上初めてといわれるような文化的な行事などの中止や延期などをもたらし、経済活動にも大きな影響を与えてきています。
先日は、東北大震災から10年の節目の時でしたが、あれだけの巨大な地球のパワーが与えた東北地方への被害をも凌駕するほどの影響を全世界に与えています。人は、目に見えるストレスについては、具体策を見出すこともしやすいため、恐怖や不安を強めるのは一時的なものとしてとどまりやすい一方、ウイルス感染症のような目に見えないものに対しての恐怖は、その影響が波及する境界線も見えないために、具体的でない恐怖や不安を強め、さらに、そのインパクトが瞬間的なものではなく、いつまでも見えない形で影響し続けるという持久戦を強いられていることもあり、世界中に影響を与え、かつ生活様式全般の見直しに発展するといった文明への影響まで与えています。あれだけ甚大な東北震災が10年も経過すると、「忘れ防止」のキャンペーンを行わないといけないほど影響が小さくなる中、コロナウイルス感染症は、10年後においても、新たな新規感染症に対する恐怖を生々しく意識させられるような影響が継続しているのではないかと考えられます。「人類は、危機に遭遇するたびに成長を遂げていく」を固く信じて、東北震災を乗り越えて現在に至っているように、これからのコロナウィルスに限らず、未知の新規感染症に対しての速やかな対応能力を人類が獲得することを切に願いたいところです。